視点・解説2026年8月11日 6時00分後藤一也印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

[PR]

7月28日に起き、震度7を観測した熊本地震。多くの被災者が厳しい暑さの中での避難生活を強いられています。地震から一定の時間がたったこれからは、災害関連死をいかに防ぐかが重要になってきます。(1)災害関連死とは(2)これまでの認定数は?(3)年齢や時期にはどんな傾向が?(4)今回の熊本地震で注意すべきことは。(5)災害関連死防ぐには?(1)災害関連死とは 災害でけがが悪化したり、避難生活で体や心に負担がかかったりして亡くなることを言う。一般的には、建物倒壊などによる直接死は含まず、市区町村から認定され「災害弔慰金」が支給された人のことを指す。(2)これまでの認定数は? 内閣府などによると、2011年の東日本大震災で3810人。24年の能登半島地震では石川県など3県で522人の見込み(4日時点)。10年前の熊本地震では直接死50人に対し、その4倍以上の228人だった。 過去には、停電や断水などでストレスがかかり、高齢者が体力を落として肺炎になったり、血圧が上がって心不全になったりして亡くなっている。トイレが使えず、水分補給を我慢したことで感染症になったとみられる例もあった。車中泊や狭い空間で寝泊まりなどをすることで、足の静脈に血栓ができる「エコノミークラス症候群」もある。1日だけ車中泊をしても亡くなるケースもある。直接死の4倍超、熊本地震の「災害関連死」の教訓とは? 識者に聞く(3)年齢や時期にはどんな傾向が? 内閣府などの資料では、70歳以上が約8割を占める。亡くなった時期は、16年の熊本地震では1カ月以内が57%、3カ月以内が81%だった。東日本大震災も同様の傾向が見られる。 16年の熊本地震を原因別でみると「地震のショック、余震への恐怖による肉体的・精神的負担」が最も多い40%、「避難所生活の負担」が29%、「医療機関の機能停止などによる初期治療の遅れ」が16%だった。 死因は、肺炎や気管支炎といった呼吸器系の疾患と、心不全やくも膜下出血といった循環器系の疾患がそれぞれ3割ほどになっている。(4)今回の熊本地震で注意すべきことは。 真夏の災害のため、熱中症の対策が最優先だ。日本救急医学会などは、水分と塩分の補給▽エアコンなどの使用▽体調の確認▽高齢者らリスクの高い人への声かけ、を呼びかけている。ほかにも、感染症や食中毒にも注意が必要だ。 特に高齢者は、災害の影響で食べる機能が落ちて栄養障害になる人が増える可能性もある。東日本大震災では床ずれとなる高齢者が目立った。熊本地震から1週間 災害関連死防ぐ熱中症対策 救急医学会など会見(5)災害関連死防ぐには? 災害関連死を防ぐためには、清潔なトイレ(T)、温かい食事を出せるキッチン(K)、ベッド(B)の「TKB」について、避難所の環境を整えることが大事だ。 災害関連死の5~10%は自死だ。プライバシーが守られにくい避難生活はストレスが大きい。心のケアも欠かせない。猛暑、停電、断水… 命を守るために避難生活で気を付けたいポイント有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません