深掘り突然の刑事裁判「被害者不在だった」 遺族らの訴え受け、法制審始動二階堂友紀 染田屋竜太印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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犯罪被害者や遺族らの刑事手続きへの関与の拡充に向けて、法制審議会(法相の諮問機関)の部会の初会合が30日にあった。犯罪被害者らの権利の保護と、被告側が対等な立場で検察側に反論する「防御権」をどう両立させるかが課題となる。 部会では、裁判所と検察、弁護側が裁判前に争点や証拠を絞り込む「公判前整理手続き」への関与や、被害者が裁判に関わる「被害者参加制度」の対象犯罪の拡大、傍聴制度の拡充などについて議論。刑事訴訟法などの改正の可否を検討し、来年中の法改正をめざす。 部会は非公開で行われた。終了後の法務省の説明によると、被害者支援に携わる弁護士は「公判で十分な被害者参加を行うためにも、被害者やその代理人弁護士が公判前整理手続きに関与することは必要だ」と指摘。被害者参加制度の対象としては特に性犯罪へのさらなる拡大を訴えた。 一方で、刑事弁護が専門の弁護士からは「被告の防御権を不当に侵害する恐れがないか検討する必要がある」「導入のニーズだけでなく、弊害についても十分考慮すべきだ」といった意見が出たという。 部会長には互選で酒巻匡・早大院教授(法制審会長)が選ばれた。次回は被害者や遺族へのヒアリングを行う予定だ。 公判前整理手続きは2005年、裁判員裁判の開始を前に、迅速で分かりやすい裁判をめざして導入された。ただ、SNSのデータといったデジタル証拠の増加などに伴い、長期化している。最高裁の報告書によると、裁判員裁判の対象事件における平均期間は、09年には2.8カ月だったが、24年は11.8カ月となり、否認事件では14.4カ月だった。 この場で話し合われた内容は、検察が被害者側に説明しているとされる。だが、非公開の手続きが長期化し、裁判がなかなか始まらないために、遺族らがより直接的な関与を求めている面もある。 被害者参加制度は08年末に始まった。被害者やその弁護士が法廷に立ち、被告に質問したり、量刑などの意見を述べたりできるようになった。23年の利用者は延べ1517人。現在は殺人や危険運転致死傷、不同意性交などの罪が対象だが、ストーカー事件や裸の映像をネット上に流出させるリベンジポルノ事件などに広げるよう求める声がある。「事前に打ち合わせしとるなんて」 三重県四日市市で運送業を営む寺輪悟さん(57)は「数十年前と比べたら、犯罪被害者への社会の思いは高まった。でも、まだまだ変えられるところはある」と話す。 2013年8月、中学3年生だった次女の博美さん(当時15)は友人と花火大会に行った帰り、当時18歳の元少年に襲われ、命を落とした。元少年は翌年、強盗殺人容疑などで逮捕された後、強制わいせつ致死罪などで起訴された。 「いきなり刑事裁判というものに巻き込まれ、どんどん進んでいった」 被害者参加制度を使い、法廷…この記事は有料記事です。残り659文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人二階堂友紀東京社会部|法務省担当専門・関心分野法と政治と社会 人権 多様性染田屋竜太東京社会部専門・関心分野事件・事故 国際ニュース(アジア)関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする