桜井林太郎印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

[PR]

同じ霊長類でも、ヒトの赤ちゃんはチンパンジーやゴリラなど類人猿の赤ちゃんと違い、頭骨が軟らかく首がすわらない未熟な状態で生まれる。自力で母親にしがみつくこともできない。ヒトは直立二足歩行をするため、骨盤の幅を大きくできず、出産時の赤ちゃんの脳の大きさを制限されることから妊娠期間が短くなったと考えられ、「生理的早産」と呼ばれる。 人類の進化史にとって重要な現象だが、いつから起きたのか。東京大学などが参加する日本とインドネシアの国際研究チームは、私たち現生人類(ホモ・サピエンス)の赤ちゃんだけでなく、絶滅したジャワ原人やフローレス原人も同じだったと、頭骨のゆがみから突き止め、専門誌に発表した。 生まれたてのヒトの赤ちゃんの頭骨は、複数の骨がゆるくつながっていて、出生後に脳が急速に成長するのに対応できるようになっている。脳の大きさがホモ・サピエンスと同じ程度の旧人のネアンデルタール人でも同様だと考えられているが、それより前にいた脳が比較的小さい原人については、研究者らの間で一致した考えがまだない。 ヒトの頭骨には「変形性斜頭」と呼ばれるゆがみが生じることが知られている。出産時の赤ちゃんの頭骨は未発達で、床に寝かされると、頭の重さなどでゆがみやすく、大人になっても変形が一部残ることが少なくない。フローレス原人も 研究チームはこの点に注目。まず、計1500以上の大型類人猿とヒトの頭骨のゆがみの程度を統計的に比べ、ヒトでゆがみが大きいことを確認した。次にジャワ原人2人とフローレス原人1人で頭骨のゆがみを計測したところ、ヒトと似ているタイプで、かつ大きなゆがみが見られた。 骨の保存状態の詳細な分析から、地層の圧力で生じたのではなく、変形性斜頭と考えられ、原人もホモ・サピエンスと同じように「生理的早産」だったと結論づけた。■人間らしさの刻印…この記事は有料記事です。残り642文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人桜井林太郎くらし科学医療部専門・関心分野環境・エネルギー、先端技術、医療、科学技術政策関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする