ストーリー百貨店の元営業部長、第二の人生は「世界遺産・飛鳥」のツアーガイド2026年7月26日 18時00分椎木慎太郎印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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大手百貨店で紳士服に携わり41年。営業部長も務めた。退職後、外出は減り、言葉数も減った。 「もういっぺん自分の人生、考え直そう」 自分のキャリアを生かして世の中の役に立てること、何かないか――。 和田安広さん(65)がハローワークで紹介されたのは、自宅がある奈良県橿原市の隣、明日香村での古墳や遺跡のツアーガイドだった。 娘が昔使っていた教科書を引っ張り出した。古代日本の歴史や天皇の名前を覚えて面接会場へ向かった。 「理路整然としながら愛嬌(あいきょう)がある」と評価され、64歳で第二の人生が始まった。 仕事に手を抜けない性格。自分の目で見ないと語れないと、遺跡の発掘調査に参加した。 木が生い茂る丘に入り、数十メートル四方の土地をひたすら掘る。根や石とぶつかり、腰をかがめて土を運ぶ。発掘調査の現場は重労働そのものだった。 参加者の多くは70歳以上。そのなかの一人が「何かが出たときの喜びは言葉にできん。だからやってんねん」と言った。古代日本を追う現場の熱量を知った。 この5月、ガイドとしてデビューした。 村内の遺跡を電気自動車「グリーンスローモビリティ」で巡る70分間のツアーのガイド兼運転手を務める。 飛鳥川の上流で舞うホタル。村に咲く珍しい色の彼岸花。神社に残るてんぐの言い伝え。歴史の解説にとどまらず、自分で見聞きした内容を話に盛り込む。 ツアーの終わりに拍手をもらうことがある。お客さんに喜んでもらうのが一番という思いは、百貨店で紳士服を販売していた頃と変わらない。 「飛鳥・藤原の宮都」が世界遺産に登録された。ただの観光客ではなく、飛鳥を大切に思うファンを増やしたいという。 「60歳まで何も知らなかった自分が、夢中になれた。知れば知るほど深まる歴史ロマンの楽しみを一人でも多くの人に伝えたい」【動画】記者2人が「飛鳥・藤原」を巡る 和田さんは6分20秒から登場有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする