現場から「化け物グマ」におびえるインドの村 冬眠しないクマ、日本と共通点ウッタラカンド州パウリ=鈴木暁子印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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ヒマラヤ山脈に近いインド北部の州で、ツキノワグマ(ヒマラヤグマ)による被害が深刻化している。昨年は州内で少なくとも7人が死亡。多くの家畜も襲われた。専門家はクマの冬眠周期が変化している可能性があるとし、日本とも共通した要因を指摘している。 ウッタラカンド州パウリ地区の山間部で今年3月、モリ・デビさん(42)がクマに襲われた。日中に山で草取りをしていた際に襲われ、頭部を20針、腕も15針縫う大けがを負った。 ウッタラカンド州では昨年、クマによる被害で少なくとも7人が死亡した。人的被害に加え、この地区では昨年8月以降、牛舎にいた家畜がクマに襲われる事件が相次ぎ、数カ月のうちに20頭以上の牛が犠牲になった。 牛がクマに襲われるのは初めてだといい、住民は警戒している。農家のニヤム・サージャン・シンさん(65)は、「クマも肉を欲しがるようになってしまったのだろうか」と心配する。 住民の間では「牛を襲ったのは通常の倍もある巨大なクマだった」といった真偽不明の情報も広がる。地元の男性は「問題のクマは顔がキツネのように細長く、乳を出す牛だけを食べると聞いた」と話す。地元ではこのクマを「チャラク・ラクシャス(化け物グマ)」と呼ぶ人もいる。 クマをめぐる緊急事態に、ウッタラカンド州は昨年11月、「最終手段としての即時射殺」を認める方針を明らかにした。害獣の殺処分が一般的ではないインドでは極めて異例の措置だ。ただ、クマの特定は難しく、現在まで射殺されたクマはいないという。 州当局は麻酔銃による捕獲や住民への補償制度などで対応しようとしている。「本格的に出没する9月以降が心配だ」と住民は不安を口にする。 住民は化け物グマを恐れるが、州の自然管理に詳しい専門家は、人を襲うのはクマが驚いたためで、「man―eater(人食いグマ)」ではないとの見方だ。一方で、クマが牛の脂肪分を食べた形跡はあるという。「昨年は降雪量が少なく、冬眠しなかったクマがいて、家畜被害が急増した可能性がある」と話した。住民不在のゴーストビレッジ、実は インド野生生物研究所(WII)のビバシュ・パンダブさんも、クマが冬眠しない傾向が見られると指摘。原因の可能性として挙げるのが、地域のゴミ問題だ。 パウリから車で5時間以上離…この記事は有料記事です。残り471文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人鈴木暁子ニューデリー支局長|南アジア担当専門・関心分野移民、文化、アイデンティティー関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする






