視点・解説「独身偽装」加害に見合う慰謝料は 見えぬ基準、識者は高額化を提案根岸拓朗印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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不妊治療を経て妊娠した後に、交際相手の男性に妻子がいるとわかった――。そんな「独身偽装」の被害を受けた女性が損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は6月、元交際相手の男性に約460万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。 約2年にわたる交際の末に男性に裏切られて出産に至った女性は、精神的苦痛に対する「慰謝料」として1300万円を請求しましたが、判決が支払いを命じた慰謝料は400万円でした。男性と女性側の双方が控訴し、東京高裁で裁判が続くことになります。 判決が認めた金額をどう考えればいいのか。そもそも慰謝料にはどんな意味があるのか。同意のない「違法な性行為」と、損害賠償の関わりについて詳しい弁護士の金山直樹・慶応大名誉教授に聞きました。【判決はこちら】妊娠判明後に「実は妻子が」 独身偽装の男性に460万円の賠償命令【こんな例も】結婚夢見た交際相手は既婚者だった 「独身偽装」が残した噓と心の傷 ――今回の判決をどのように評価しますか。 違法な性行為が問題となった民事裁判では「200万~300万円」ほどの賠償を命じる例が多いと思います。この現状を踏まえれば、今回の判決が認めた金額はやや高額だと言えます。 加害者が自らの性欲を満たすため、約2年にわたって「独身である」「結婚する」などとだまし続けた点は非常に悪質です。不妊治療までしたのに相手の男性に妻子がいるとわかった後、被害者の女性は抑うつ状態になり、出産しています。こうしたあまりにもひどい加害の態様と、被害の甚大さを判決は重視したのでしょう。 ――男性は裁判で、女性との関係について「意思を制圧するような強制的状況下での行為ではなく、貞操権(性的行為について自分の意思で決められる権利)の侵害は認められない」と主張しました。暴行や脅迫をしたわけではない、という趣旨とみられます。それは「同意」と言えるのか たしかに、交際中、女性は性…この記事は有料記事です。残り1786文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人根岸拓朗東京社会部|司法クラブサブキャップ専門・関心分野司法、ジェンダー関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする






