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カンサイのカイシャ ここがオモロイ! 紀伊半島南部をプロの自転車レースで盛り上げたい。土木建設機械レンタル会社が地域活性化のために国際ロードレース運営に関わり、自社の名前を冠したチームのメインスポンサーとして競技にも参加しています。その狙いや効果を創業者に聞きました。 和歌山、三重両県南部の熊野地方を舞台に国際自転車競技連合(UCI)公認のロードレース「ツール・ド・熊野2026」が5月7~10日、開催された。日本を含む6カ国の16チーム計96人の選手が出場。4日間のステージレースで個人総合時間賞などを競った。 主催は、NPO法人「スポーツプロデュース熊野」。和歌山県新宮市に本社を構えるキナンの創業者、角口賀敏(よしとし)会長(74)が理事長を務めている。 なぜ、建機レンタル会社が自転車レースに関わるのか。 きっかけは1997年にUCI公認になったツール・ド・北海道と、99年に和歌山県で開催された南紀熊野体験博。雄大な自然を舞台にしたイベントによる地域の盛り上がりを知った。 その頃、「紀伊山地の霊場と参詣道(さんけいみち)」の世界遺産登録への機運が高まる中、地域の振興策や集客の議論が重ねられていた。現在の新宮市熊野川町地区出身の角口会長は、人口減少をくい止めるには一過性ではないスポーツ文化の定着が必要だと考えていた。 熊野地方は急勾配の山地が広がる。角口会長自身、自転車が好きで「ここでできる持続的なスポーツイベントは、ヨーロッパ型の自転車レース。腹をくくってやるしかない」と決心。99年に実行委員会を立ち上げ、ステージレース「3DAY ROAD熊野」の開催を実現させた。 その後毎年開催し、2005年に実行委をNPO法人「スポーツプロデュース熊野」に改編。07年にレース名をツール・ド・熊野に改め、08年からはUCIアジアツアーに指定された。 今年のレース初日は和歌山県印南町を走る「印南かえる橋周回コース」。町の象徴「かえる橋」を含む比較的平坦(へいたん)なコースを猛スピードで走る選手たちに、子どもらが拍手や声援を送った。 2日目は和歌山県古座川町の「古座川の一枚岩」、3日目は三重県熊野市紀和町地区の「丸山千枚田」といった景勝地を走行。4日目は捕鯨文化が息づく和歌山県太地町を周回した。 大会直前の5月6日には、和歌山市役所前のけやき大通りの約750メートルの区間を20往復するUCI公認のワンデーレース「和歌山城クリテリウム2026」も催され、翌日からのレースを盛り上げた。 各レースとも表彰式の後に餅まきもあり、観客を沸かせた。 「これまで開催できたのは、ボランティアとして支えてくれる地域の多くの人たちのおかげ。地元のイベントとして受け入れてくれている」と角口会長。沿道には子どもたちを含め大勢の観客が詰めかけるようになった。 15年に発足させた「キナンレーシングチーム」も力をつけ、今年1月のアラブ首長国連邦のステージレースでは所属選手が個人総合優勝を果たした。「日本のライバルチームがうちを潰しに来るんですよ」と成長ぶりを喜ぶ。 「自転車レースのキナン」と知って入社した若手社員もいるほど、知名度も上がった。また、会社が引退した選手の受け皿にもなっている。「キナンがここにあって良かった、と地元に思ってもらえればうれしい」会社メモ キナン 和歌山県新宮市で1974年、土木建設機械の販売・修理の「紀南建機」を創業。2年後、業界に先駆けてリース部門を発足させた。91年に現社名に。近畿、東海を中心に東北から四国、九州まで営業拠点がある。アジア3カ国でも事業展開し、人材育成にも注力する。2026年2月期の売上高は323億円。ひとこと 総務部次長でスポーツプロデュース熊野事務局長も務める下沢友紀雄さん(52) 「ツール・ド・熊野」の勝負は準備が9割。半年前から準備を始め、2カ月前からめちゃ忙しいです。延べ1千人のコース立哨員は地域の方々のボランティアで、感謝しかありません。