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新年度が始まって数週間、ロッカーの扉には「歓迎 中谷奏瑛(かなえ)先生」とのメッセージが記された短冊状の紙が貼られたまま残っていた。 今年春の教員異動で新しい中学校に赴任したばかりの中谷奏瑛さん(25)=新潟市=は、新人の頃の教えが頭に浮かんだ。 「いつまでも、よそ者気分ではいけない。『大丈夫』に書いてあったな」 桜のイラストで縁取られたメッセージを丁寧にはがした。A4判に授業の助言や心構え 教員1年目だった3年前。初任教員の指導担当から毎日、たよりが届いた。 そのタイトルが「大丈夫」だった。 《40年後の自分に向けて、なりたい教師像を言葉にしよう》 《いま付けた生徒のテストの点数は、昨日のあなたの授業の評価》 《生徒のことを知ろうとする姿勢は、あなた自身を助けてくれます》 A4判1枚。授業や生徒指導に関する実務的なアドバイスから、社会人マナーや教員の心構えまで、幅広い内容が載っていた。 「掲示物の四隅がきちんと留められているか」など、自分では気付けない視点も多かった。大事な部分は、マーカーを引いて取り入れた。送り主は元校長のベテラン 発行したのは、初任教員の指導を担当する曽武川(そむかわ)隆さん(67)だ。 2020年に新潟市の中学校長を最後に定年退職。再任用され市教委で働いた後、中学校を訪れて授業などの助言をする初任者指導を3年前から始めた。 指導にあたって、一つだけ決めていた。「たより」を出すことだ。 受け持った3校の新任教員4人のために、土日や長期休暇をのぞき1年間で224号、たよりを送り続けた。その一人が中谷さんだった。 学級だより、学年だより、校長だより――。約40年の教員生活で曽武川さんが出したたよりの数は6千号を超えた。 原点は、初めて教壇に立った小学校までさかのぼる。朝日新聞ポッドキャストでは、連載「想いをつづって」のストーリーの取材の裏側を記者が語っています。記事の最後には番組の音声プレーヤーがあります。 「あなたにしかできない何か…この記事は有料記事です。残り1459文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

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この記事を書いた人丹治翔ネットワーク報道本部|双方向企画担当専門・関心分野メディア・SNS、スタートアップ、人口減社会関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする