インタビュー統廃合・民営化で揺らぐ図書館 「民主主義の砦」の価値と使命を守れ聞き手・石川智也印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

[PR]

検索すれば、何でも見つかる。AI(人工知能)に聞けば、それらしい答えが出てくる。そんな時代に、なぜ「本の森」たる図書館が必要なのか。 財政難にあおられ各地で閉館や統廃合の動きが進むなか、自治体行政に長く携わってきた片山善博さんは、逆に「今ほど公共図書館の役割が増している時代はない」と強調する。古い書物がノスタルジックな匂いを放つ「知の殿堂」に課せられた、もう一つの重要な使命とは。格差是正の機能備えた知的インフラ 図書館は、民主主義を下支えする「知のインフラ」であり、もっと言えば「民主主義の砦(とりで)」です。 地方自治は「民主主義の学校」と言われますが、それは市民が主体的に考え、足元の課題を自ら解決していく営みです。しかし現実には、そうした自立的な市民が育つための知的環境や情報環境は、経済力や市場の論理に左右されてしまう。その中で公共図書館は、本を買えない家庭の子どもにも無料で質の高い読書環境を提供し、誰もが平等にアクセスできるという意味で、格差是正装置の機能も備えた「知的自立支援」の拠点なのです。 私は鳥取県知事時代、「知の地域づくり」を掲げ、図書館行政を地域振興の中核に据えました。県立図書館の館長にエース級職員を登用して司書資格を取得してもらい、年間約1億円の図書購入費を確保し、ビジネス支援や医療情報の提供といった「課題解決型」のレファレンスサービスを立ち上げました。 財政難や過疎化に悩む地域が自立を果たすためには、交付税や補助金をあてにして国にばかり頼るのでなく、住民自身が主体的に情報を得て、地域課題に取り組んでいくための知的拠点こそが必要だと考えたからです。図書館は単に資料を貸し出すだけの「箱物」ではなく、市民一人ひとりの自立を支え、地域の力をボトムアップするための重要な社会インフラであると再定義したのです。 昨今はSNSや生成AIの普…この記事は有料記事です。残り1594文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事の続きを読むなら今がお得。初回1カ月無料+Visaギフトカードが当たる▶今すぐ登録

この記事を書いた人石川智也オピニオン編集部専門・関心分野リベラリズム、立憲主義、メディア学、ジャーナリズム論、原発関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする