2026年7月19日 19時01分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアするこの社説のポイント●次期学習指導要領で情報教育が大きく変わる。AI時代への対応が主眼だ●偽・誤情報の拡散を受け、情報を吟味できる主権者育成も掲げる点は注目したい●授業数が情報教育で増える分、他教科の分を広く薄く削る予定だが、丁寧な議論を。教員確保も急務だ

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2030年度から小中高に順次導入される予定の次期学習指導要領の内容が、固まりつつある。特に大きく変わるのは、情報教育だ。生成AIは小学校から学習 AI(人工知能)時代の到来を踏まえ、情報技術の仕組みや便利さ、負の面も学び、社会課題の解決に活用する道を探る――。そんな学習を小中高で体系的に行う方向だ。生成AIには小学校から触れさせ、AIの回答には誤情報が含まれる場合があることなどを学ぶ。中高でAI活用を学ぶ前に、早めに短所を知るのは大切だ。 新たな情報教育の狙いは、40年にAIやロボットの活用を担う労働者が300万人超不足するとの想定のもと、活用スキルを身につけた人材を育成することにある。フィルターバブル、誤情報拡散を問題視 注目したいのは、文部科学省がそれにとどまらず、興味のある情報ばかりに囲まれ多様な情報・意見に触れにくくなる「フィルターバブル」や偽・誤情報の拡散を問題視し、「日々の情報を見極め、ゆるぎない健全な民主主義社会を支える主権者の育成」を目標に掲げていることだ。 その観点から、新たな情報教育では「情報技術の適切な取り扱い」が柱の一つになる。例えば小学校では、真偽を複数の情報源で確認することや、アルゴリズムによって個々の関心に合わせた情報が届くことなどを学ぶ。 選挙時などに様々な情報が錯綜(さくそう)する現実を踏まえると、情報を慎重に吟味する姿勢を身につけるのは意義がある。社会科などと組み合わせて主権者教育を充実させ、高い目標を「絵に描いた餅」に終わらせぬよう求めたい。全教科の総授業数は増やさない方針 全教科の総授業数は増やさない方針のため、情報関連で増える分、元々コマ数が少ないものを除く各教科から一定割合で広く薄く削る方向という。教える内容を増やすより、精選して削る方が難しい。丁寧な議論が必要だ。 情報教育については、識者が「教員が足りない」と警鐘を鳴らしている。 新指導要領のもと、小学校では、いまの総合学習にあたる時間に「情報の領域」(仮称)が、中学校では家庭科を分離した情報・技術科(仮称)が、それぞれ新設される予定だ。 中学校では技術の正規免許をもつ教員が不足している。情報教育の拡充でさらに教員が必要となる。確保に向けた取り組みの加速が急務だ。 新指導要領に基づく指導のため、処理速度が速いパソコンなどの配置を求める声も上がる。自治体間で大きな格差が出ないよう、国の支援のもと配置を進めてほしい。中学「情報・技術科」授業、年70コマ 次の指導要領、小学校も拡充「社説digital」は、朝日新聞朝刊に掲載する社説をいち早くお届けします。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません