インタビュー聞き手・黒田健朗 照井琢見 平岡春人印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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今年の手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)に輝いたマンガ大賞の児島青さん、新生賞のサイトウマドさん、短編賞のかわじろうさんは、いずれもデビューから数年で受賞を果たした新鋭だ。今回、3人の座談会を開催。後編では、それぞれの作品や創作について語り合ってもらった。3人とも「しんどい」「つらい」と口をそろえたある作業とは……。【前編はこちら】手塚治虫文化賞新鋭3氏が語り合う 当世マンガ家の「トキワ荘」とは「本なら売るほど」キャラが動く感覚 ――児島さんの「本なら売るほど」は古書店を舞台に、古本の魅力や人々の心の揺れ動きを丁寧に描く群像劇です。 サイトウ 夫が香川で古本屋をしていて、私も作業を手伝うこともあり、第1話にすごく共感しました。エコステーションにどっさどっさと本を捨てたり、買い取りのために遺品が残るお部屋を見た時に、亡くなった方の姿を感じたり。一瞬で心を奪われて単行本を買い、「これはドラマ化します」とX(旧ツイッター)で予言しました。 かわじろう 古本屋のいい面ばかりではなく、大変なところも描いていてリアリティーがある。絵もきれいで見やすくて1枚1枚眺めたくなります。特に、写実的な絵なのに、幻想的な描写に滑らかにつながっていくところが気持ちよくて。 児島 ありがとうございます。特にサイトウさんは古本屋さんにご縁があると聞いていたので、今回ドキドキしていたんです。 サイトウ いろんな職業や、環境に置かれた人が出てきますが、どうやって思いつかれるんですか? 児島 完全に見たことも聞いたこともないような人は描けなくて。乾燥わかめに水を入れてかさを増やすように、実際に見聞きした人やこと、自分が体験したことを原形が見えなくなるまで膨らませることが、お話を発想するということかなと思っています。 かわじろう 主人公の店主がすごく動くわけではないけど、本に合わせていろんな人が入れ代わり立ち代わり出てきて物事が進む。こういうやり方もあるのだなと。 サイトウ お店という一個の場が主人公的な部分もあるんですかね。昔「王様のレストラン」(1995年、フジ系)というドラマがあって……。 児島 大好きです! サイトウ ああいった、シチュエーションで続いていく作品に似た面白さがありますよね。 児島 まず場があって、条件があって。そこにキャラクターがやってきて、化学反応が起こる。描いていて、キャラが勝手に動くみたいな感覚は実際何回かありました。少年マンガっぽさ×骨太の「怪獣を解剖する」 ――サイトウさんは「怪獣を解剖する」で大型怪獣の上陸が相次ぐ近未来を舞台に怪獣学者の女性の奮闘をポップに描きました。 児島 私は古本屋を舞台に半…この記事は有料記事です。残り2890文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません