深掘り直木賞の朝倉かすみさん「老婆作家になりたいとずっと思っていた」伊藤宏樹印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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「けんぐゎい」で直木賞に決まった朝倉かすみさん(65)の主な一問一答は次の通り。直木賞の朝倉さん、就職せず少数派に ありったけの「けんぐゎい」 ――選考委員から「パワーや伸びやかさを感じた」という話があったが。 まだどういうふうに読んでいただけたかというのは詳しく聞いていないので、想像でしかないんですけれども、ほめてもらえてたらうれしいし、直木賞を授けてくださったことに深く感謝します。 ――「思い切り書くのは怖いんだ」とも伺ったが。 時代小説を書いたのが初めてでしたし、慣れないことばかりというか、夢中で毎回書いてたっていう感じで、本当にこんなに好きなように書いて候補にしてもらえたっていうのがまずすごくうれしかったです。 ――今作では、社会で「圏外」にいるものとされ、負い目を感じながらも力強く生きていく主人公たちの姿を描いた。朝倉さんも(主人公の)ふゆたちのような思いを抱えたことがあったのか。 あそこまで劇的ではないんですけど、短大を卒業するまでは多数派の中にいたんですけど、短大を出て就職しなかったんですね。働きたくなかったからなんですけども、その時、急に少数派になった感じがあって。それからだんだん少ない数の方についてるなっていう。たとえばクレジットカードを作れないとかね、そういうところでありましたから、共通点というのはあるのかもしれないです。 ――好きなような書いた作品が候補になってうれしい、とおっしゃった。受賞に至ったいまの気持ちは。 候補になったときが本当にうれしくて、泣いちゃったんですよね。それもただ泣くんじゃなくて、結構な号泣レベルで泣いてしまって、ピーク感がすごかったんですよ。もうここでピークだなっていうくらいの感情の高ぶりがあったもんですから、その後はそんなに動揺したりとかドキドキしたりとか、ほとんどなかったですね。 ――受賞の知らせを受けても、ちょっと落ち着いた気持ちですか。 受賞のお知らせも携帯電話を出していたんですけども、なぜか私の電話には来なくて、担当編集者の方に「朝倉さんの電話がつながらない」って来て。それで、その後「わーっ」て言ってから、ドキドキしはじめているっていう感じです。 ――初めて時代小説に挑戦した。選考委員から、すごい衝動やパワーを感じるという講評があった。初めての枠組みに挑んだことが、パワーや勢いにつながったのか。 そうですね。うーん……だと思います。あと、現代小説のように書けないっていうところがあって、それは勉強不足っていうのもあるんですけれども、細かいところが書けなかった。じゃあどうすればいいんだろうっていうので、ますます夢中になって書いたっていう感覚です。 ――今回、書ききれなくて、次これやってみたいとか、野望などはありますか? 「けんぐゎい」の最後の方に出てくる双子がいますよね。もともと双子の話を書くんだ、って言って書かせてもらったんですよ。で、双子の話を書くために1人は商家にいて、1人は新しいコミュニティーで育てられた子にしたいと思って、そのコミュニティーはなぜできたのかっていう話をまず書くんだって言って、短くバシッとやるよって言ったら、すごい長くなっちゃったっていう感じなので、まず双子の話を書きたいです。 ――選考委員の講評で、時代小説の枠を越えた新しい形だという評価もあった。どのように受け止めていますか。 時代小説は、書けばそういう…この記事は有料記事です。残り2338文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません






