復刻で話題、手塚治虫「ながい窖(あな)」が問う差別問題と日本社会林瞬 平岡春人印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする
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手塚治虫(1928~89)が在日朝鮮人への差別をテーマに描き、70年に発表した「ながい窖(あな)」という短編漫画が、このほど復刻された。外国にルーツを持つ人を排斥する動きが高まるなか、発売前から「今読まれるべき本」と話題に。出版元の予想を超える売れ行きで、約1カ月で4刷と版を重ねている。 物語の舞台は、高度経済成長期の日本。朝鮮半島出身で日本国籍を取得した男性・森山は、差別への恐れから出自を隠し、会社で重役に出世する。 しかし、戦時中に岐阜県の「戸狩山」の地下で過酷な労働を強いられ、朝鮮人への蔑称を使ってののしられ虐待された時の記憶がたびたびフラッシュバック。また、ある出来事をきっかけに根深い民族差別に直面し、さらに苦悩を深める。 本作は70年に雑誌「サンデー毎日」で発表されて以来、72年に刊行された短編集「空気の底(下、初版)」を除き全集や作品集に収録されていない。 出版元の法政大学出版局は、普段は学術書を手掛けている。担当編集者の赤羽健さん(35)によれば、普段より多い部数を用意したが、発売日(6月2日)の翌日にほぼ完売。すぐに増刷を決めたという。 紀伊国屋書店新宿本店の担当者は「発売日に過去作や復刻版の漫画としては異例の冊数を用意したが、すぐ売り切れた」。ヒット中の少年漫画の新刊のような勢いだったと話す。在日朝鮮人の心情、細やかに描写 本作の特徴は、当時の日本で実際に起きていた在日朝鮮人への就職差別なども物語に織り込み、当事者の心情を細やかに描いたことだ。手塚はなぜこの作品を描いたのでしょうか。記事後半では3人の識者(比較文学研究家の四方田犬彦さん、京都精華大学の吉村和真教授、評論家で在日コリアン3世の林晟一さん)にお聞きしました。 復刻本に解説を寄せた比較文学研究家の四方田犬彦さんは「手塚作品の最大のテーマは『差別』。身近な在日朝鮮人をめぐる差別問題に目を向けて描いたことは、何ら不思議ではない」。 初期作での例として、人気S…この記事は有料記事です。残り723文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
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この記事を書いた人林瞬文化部|放送担当専門・関心分野漫画やアイドルなどのサブカルチャー、ジェンダー平岡春人文化部専門・関心分野音楽、映画、人権印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする






