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アニメーション映画監督・細田守の世界を楽しめる「細田守の原点/展」が、8月31日まで東京・京橋のCREATIVE MUSEUM TOKYOで開かれている。出世作「時をかける少女」(2006年)から「サマーウォーズ」(09年)、「おおかみこどもの雨と雪」(12年)などを中心に、絵コンテ、設定資料、原画といった制作資料を300点以上展示。学生時代の作品も見ることができる貴重な機会だ。 「今まで自分のことを振り返ってこなかった。出来上がった作品は忘れて新しい方を向かないと、新しい作品は出来ないと思うから」 「でも中学生の時『アニメを作りたい!』という初期衝動で走り始め、20年前、先も見えないままひたすら『良い作品を皆さんに届けたい!』と『時をかける少女』に打ち込んだ時の気持ちを思い出した。今は、振り返って原点から学ぶべき時なのかも知れない」 アニメ好きの少年がいかに作家となったか。それをたどる展覧会だが、細田は意外にも、二つの〝挫折〟に言及した。 東映アニメーション在籍時にスタジオジブリへ出向して取り組んだ「ハウルの動く城」からの不本意な降板と、昨年公開の「果てしなきスカーレット」の興行不振だ。 「『スカーレット』が興行的に〝大爆死〟して『もう映画を作るチャンスは来ないかな』と思っていたところに、展覧会の話が来た。もしこのまま僕がフェードアウトしてしまうとしても、『僕を見つけてくれてありがとう』『作品を見てくれてありがとう』とごあいさつもせずに、というのは味気ない。あいさつする機会に恵まれたのなら、あいさつする義務がある。そう思ってお受けしました」 ジブリから東映に戻り失意のなか手がけたのが、テレビアニメ「おジャ魔女どれみドッカ~ン!」の第40話「どれみと魔女をやめた魔女」。少女が呪いで老女となる「ハウル」のテーマが、「どれみ」40話の、長い時を生きてきた魔女に流れ込んだという。静かで謎めいた魔女の声は俳優の原田知世。これが、「時をかける少女」の企画が持ち込まれるきっかけ、そして細田自身が東映から独立するきっかけになった。 「『ハウル』は完成させられなかったけど『ハウル』があったから『どれみ』が出来て、『どれみ』があって『時かけ』につながった。一つの流れを自分でも感じます」 その創作の源は中3で作った約1分のアニメ「one sided war」。コピー用紙を使い約900枚を独りで描いた。戦闘機やヘリが竜と戦う激しいアクション。大学時代の中編実写映画「SILENT」と共に、展覧会の目玉として会場内で上映されている。 「むちゃくちゃ恥ずかしい。でも『原点』なんて展覧会の名をつけられたら出すしかない。高校生や大学生の自主制作アニメを特集した番組を見て、うらやましくて作らずにはいられなかった。竜は『竜とそばかすの姫』と『スカーレット』にも出していて、『三つ子の魂百まで』というか進歩がないというか」 「初期衝動を抱えた若い人に見てもらい、その背中を押すことが出来ればせめてもの救いです。『このくらいなら俺にも出来る』と。中学生の僕も、そう思って作り始めたんですから」■細田守監督の略歴細田守(ほそだ・まもる) アニメーション映画監督。1967年、富山県生まれ。91年に東映動画(現・東映アニメーション)に入社し、その後フリーに。映画「時をかける少女」(2006年)、「サマーウォーズ」(09年)、「おおかみこどもの雨と雪」(12年)、「バケモノの子」(2015年)、「未来のミライ」(18年)、「竜とそばかすの姫」(21年)、「果てしなきスカーレット」(25年)などを監督。■開催概要 ◇8月31日[月]まで、東京・京橋のCREATIVE MUSEUM TOKYO ◇午前10時~午後6時。ただし、毎週[金][土][日]および祝前日、祝日、8月11日[火]~13日[木]は午後8時まで。いずれも入館は閉館の30分前まで。無休 ◇一般・大学生2500円、高校生1500円、小・中学生千円、未就学児無料 ◇公式サイト https://hosodagenten.exhibit.jp/ ◇問い合わせ ハローダイヤル(050・5541・8600) 主催 CREATIVE MUSEUM TOKYO、「細田守原点/展」東京実行委員会(朝日新聞社など) 特別協力 ア・ファクトリー、絵映舎 輸送協力 TERRADA ART ASSIST 協力 TOKYO MX、メディコス・エンタテインメント