「私はダメ」自己否定の日々を超えて…学校が苦しい君に作った居場所2026年7月5日 17時00分伊藤舞虹印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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全国の不登校の中高生たちに、家でも学校でもない居場所を届けたい――。不登校の若者たちが自宅から無理なく仲間と交流できるオンラインコミュニティー「はぴのす」を運営する名古屋市の大学院生が、活動拡大に向けたクラウドファンディング(CF)に挑んでいる。 「はぴのす」を運営するのは同朋大大学院で臨床心理を学ぶ堀場睦未さん(24)。3年前からオンラインでの活動を始め、これまでに県内外からのべ70人が参加した。 オンラインで仲間とつながれる交流会のほか、学生スタッフが進路相談を受けたり悩みを聞いたりする個別面談などを通じて、人と話すことに抵抗を感じたり、外に出ることがしんどかったりする子どもたちへの伴走支援を続けている。 堀場さん自身も、高校時代に挫折を味わった経験がある。 堀場さんには「家族性滲出(しんしゅつ)性硝子(がらす)体網膜症」という疾患がある。網膜の血管が正常につくられない病気で、生まれつき片目がほとんど見えない。 中学校までは、教室の前の席にしてもらうことなどで他の生徒と同じように過ごすことができ、病気のことで思い悩むことはなかった。 高校は憧れの部活の強豪校を選び、朝から晩まで練習に明け暮れた。猛特訓の末、2年生の時にレギュラーメンバーに選ばれたが、その1カ月後に顧問に呼び出され「メンバーを降りてほしい」と告げられた。「どういうことですか」と尋ねる堀場さんに顧問が「視力が……」と言いかけたとき、全てを察して泣き崩れた。 顧問は、堀場さんの疾患がチームの成果に影響することを懸念し、メンバーから外れるよう伝えてきたのだった。自分ではどうすることもできない理由で、目標を絶たれた瞬間だった。 「私はダメな人間なんだ」「誰も私を必要としないのでは」。自分を否定するような言葉が毎日、頭の中をめぐった。「家と学校にしか居場所がなかった高校生の私にとって、部活での挫折は自分自身の価値が否定されたような出来事でした」と振り返る。 その後大学に進学し、部活から離れたことで、自分の身に起きたことを客観視できるようになっていった。参加した学生団体で仲間と話したり、リーダーを任されたりしたことで自信を取り戻し「人は環境次第で、苦しくも、前向きにもなれる」と実感したという。 自分と同じように生きづらさを抱える若者に関わりたいとの思いから、仲間と「はぴのす」を立ち上げた。参加者からは「相手の目を気にしすぎずに話せる」「家族以外と話すためのリハビリになった」といった声が寄せられている。 対面でも集まれるよう名古屋市内で開いた「オフ会」に、関東から駆けつけた参加者もいる。中学から不登校になり、同級生と会うのが怖くて外出できずにいたが「誰も自分のことを知らない環境なら」と意を決して家を出たという。 堀場さんは「一人でも多くの子に、安心できる居場所を届けたい」。CFで集めた資金は、遠方からオフ会に参加する中高生の交通費や、オンラインツールの利用料、心理カウンセラーの人件費などに充てるという。大手CFサイト「CAMPFIRE」(https://camp-fire.jp/projects/942675/view)で、7月20日まで寄付を受け付けている。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません






