インタビュー聞き手・有田哲文印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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語る 人生の贈りもの フォークシンガー小室等さん(4) 《米国のフォーク歌手、ピート・シーガーを遠くから眺めてきた。プロテストソングを歌い続け、反戦運動、公民権運動に関わってきた人だ》 1981年、ニューヨークを訪れていたとき、集会にシーガーが現れるといううわさを耳にして、行ってみたんです。(内戦の続く)エルサルバドルを第二のベトナムにするな、と訴える集会に、シーガーはバンジョーを持って現れました。歌い終わった後に僕らがインタビューをお願いすると、路傍に腰掛けて話してくれました。 「歌というのは、臆病者が強くなれるほど良い曲でなければならない」「すべての人の心をつなげていけるものでなければならない」。鮮烈なメッセージとして、僕は聞いていました。フォークシンガーの小室等さんが半生を語る「語る 人生の贈りもの」。全4回連載の4回目です。(2026年6月に掲載した記事を再構成して配信します)【初回はこちら】フォークシンガー小室等さんの日常 認知症と向き合い、ライブで歌う【2回目はこちら】大学で洋楽に熱中、そして決意「僕らの歌を作る」 小室等さんの青春【3回目はこちら】「六文銭」結成、フォーライフ設立……小室等さんが語る激動の時代 《2011年3月、東日本大震災で福島の原発が事故を起こす。翌年、東京都内での「さようなら原発10万人集会」で、小室さんはステージに立った》 僕はチェルノブイリの原発事故から6年後に、現地に行っているんです。防護服を着て、放射線のカウンターを持って、原子炉の前にたたずみました。案内の人からは「5分以上ステイしたら命の保証はしない」と言われました。そういう体験をしているのに、どうしてもっと歌で訴えなかったのか。そんな気持ちが僕のなかにありました。 原発に回帰するなんて、最悪のことだと思います。 《冤罪(えん・ざい)の被害者を扱ったドキュメンタリー映画「獄友(ごく・とも)」(2018年)では、主題歌を作曲した。自分を含む27人のミュージシャンが数小節ずつ歌った》 金聖雄(キム・ソン・ウン)監督から「ウィ・アー・ザ・ワールド」みたいな歌をつくりたいと言われました。それで僕が、この指とまれ、みたいな感じでミュージシャンに呼びかけたんです。この曲「真実・事実・現実 あることないこと」は、その後も集会などで歌っています。冤罪は放置してはならない。そんな思いから、僕も関わっています。谷川さんと再び、プロテストソングを 《2017年、谷川俊太郎さんの詩13編に曲をつけたアルバム「プロテストソング2」を制作する。1978年に同じく谷川さんとつくった「プロテストソング」の続編だ》 あれは一緒に映画を見に行った帰りでした。俊太郎さんに「またプロテストソングどうですか」って言ったら、「えっ、いまどきそんな古くさいことでいいわけ」とおっしゃった。でもすぐに「面白いんじゃないの」。それから2、3日で詩を選んで送ってきてくれました。 《アルバムには「おしっこ」…この記事は有料記事です。残り1405文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません






