現場から2026年6月30日 17時00分上海=里見稔 瀋陽=岩田恵実印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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サッカーワールドカップ(W杯)北中米大会の決勝トーナメント1回戦、日本対ブラジル戦が行われた6月30日、中国のスポーツバーでは日本の健闘に沸く中国の人々の姿があった。一方で、日本代表を応援することの是非が中国のSNSで論争となっており、この日は過度な声援を抑え込もうとする当局側の動きも見られた。中国、経済の武器化加速 日本の「新軍国主義」批判、緩める気配なく両チームに声援、ファン「サッカーに政治関係ない」 上海市内の大型スポーツバーは試合前から満席となり、立ち見をする客も出るなど熱気に満ちていた。数百人いた客の大半は中国人で、日本が前半に先制した場面では店内がどっと沸き、何度も拳を突き上げる中国人の姿もあった。 後半にブラジルが追いつき、さらに決勝点を決めると、今度はブラジル人サポーターを中心に、勝利をたたえる歓声が会場を包んだ。 上海の店で日本代表を応援していた中国人男性は「サッカーに政治は関係ない。今日の試合を見て、強豪チームと競り合えるのはアジアでは日本だけだと思った。次回はベスト16、ベスト8も目指せると感じた」と話した。 中国東北部・瀋陽のスポーツバーでも約25人が観戦。日本代表を応援していた陳さん(48)は、「私たちはアジア人だ。日本はアジアの代表」といい、日中関係が悪くても日本を応援することの妨げにはならないと話した。中国メディアの報道ぶりは 「亜洲之光(アジアの光)」 W杯期間中、順調に勝ち進んできた日本代表を、中国のSNS上ではそんな言葉でたたえる人が相次いだ。 国営通信社の中国新聞社は27日、グループリーグを3戦無敗で切り抜けた日本代表の強さを分析する記事を配信した。 多くの選手が欧州のクラブで研鑽(けんさん)を積んだことで「従来のアジアの『技術重視・小柄で俊敏』という固定観念から脱却した」とし、「いまの『サムライブルー』は、かつてとは比べものにならないほど成長している」と評した。 ただ、当局側は中国人サポーターが日本を応援する動きに敏感になっていたとみられる。日本応援は「売国奴」? SNSでは論争、そして当局の目 発端は21日のチュニジア戦だった。上海市内の複数のスポーツバーで、日本代表のユニホームをまとった中国人サポーターが歓喜する様子を欧米メディアが報じた。 すると中国のSNSでは、日本を応援する中国人サポーターを「売国奴」と非難する声と、「スポーツに国境はない」と擁護する声が入り交じり、議論を呼んでいた。28日には上海市サッカー協会が、「サッカーに国境はないが、サポーターには祖国がある」として、サッカーの観戦時は「祖国への思いを深く育むように」と呼びかけた。 こうした動きを受けてか、この日の上海のスポーツバーでは、中国人客が日本代表のユニホームを着用することを店側が禁じた。店員がユニホーム姿の客に国籍を確かめる場面も見られた。店内では、警備員や私服警察官とみられる男性らが巡回し、観客に目を光らせていた。 日本代表を応援したいものの、周囲の目が気になる人もいるようだ。中国版インスタグラム「小紅書」には、市販の日本代表ユニホームに付いた日の丸の消し方を指南する動画まで登場した。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません