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青森県野辺地町にある野辺地高校の野球部員は1人しかいない。唯一の部員は松舘侑希選手(3年)。5校で構成する連合チームで中堅手兼投手を務める。ケガを乗り越えた今年の夏、投手として140キロ超えを目標に掲げている。 陸奥湾沿いにある町の人口は約1万人。1926年創立の野辺地高校の全校生徒は約80人で、入部者は今年もゼロだった。松舘選手は2年連続の1人部員となった。「しかたないなと思います」。練習内容は限られる。佐藤康平監督に手伝ってもらいながら、打撃や投球練習をする。 小学1年生から野球を始めたが、出場機会に恵まれず、中学を卒業したら辞めるつもりだった。高校に入ると、小中学校時代の2学年上の先輩が野球部にいた。入部を促されても断り続けたが、練習してみると「悪くないな」と思った。 球速が140キロに迫っていた昨夏。大会1週間前の練習試合で、打者にはじき返されたライナーが直撃して利き腕の右手首を骨折した。ベンチで涙がこぼれた。大会にはギプスをはめて入場行進したが、出場はできなかった。投げられるようになるまで、4カ月かかった。 それでも「心は折れませんでした」。140キロを出したいという思いと、トレーナーの兄・拓斗さん(23)への恩返しの気持ちが支えとなった。昨夏に右手首を骨折 拓斗さんとは昨春から自宅で練習するようになった。強豪の青森山田野球部出身。体のエネルギーを無駄なく使う動きや胸筋の使い方などを学ぶと、初めて1カ月で球速が120キロ台から一気に伸びた。140キロを狙うという夢は、兄の存在なくしては語れないのだ。 投げられない間も下半身のトレーニングを続けた。体重は7キロ増えて83キロ。ユニホームのズボンはパンパンになった。 ケガの功名もあった。佐藤監…この記事は有料記事です。残り384文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
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この記事を書いた人小田邦彦青森総局|高校野球、事件・事故専門・関心分野スポーツ(高校野球、陸上、相撲)、法律関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






