2026年6月26日 16時15分安河内敬志印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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全国の酒蔵が市販のお酒の味を競う「SAKE COMPETITION(サケ コンペティション) 2026」が開かれ、今西酒造(奈良県桜井市)の「みむろ杉ろまんシリーズ」が、純米酒と純米吟醸酒の2部門で1位に輝いた。初めて頂点に立った蔵主の今西将之さん(42)は「やってきたことが間違っていなかった」と喜びを語った。 今西酒造は1660年創業。「酒の神」として醸造家からも信仰を集める大神神社のある三輪山のふもとで、看板商品「三諸(みむろ)杉」を醸してきた。 コンペティションは、本当においしい日本酒を評価することを目的として2012年にスタートした。市販酒のみが対象で、酒造りの技術指導者や蔵主らが、銘柄を完全に伏せて審査する。香りの上品さ、味のふくらみなどが評価基準。多くの酒蔵が頂点を目指す日本最高峰のコンペとされ、今回は1139点が出品された。 今西さんは14代目蔵主。14年前に父が急逝し、別業種から急きょ家業を継いだものの、肝心の酒は「ひときわおいしくなく」、経営も赤字の状態だった。14年に参加したコンペで1位を獲得した蔵主を見て、「いつか自分もあの場に立ちたい」と思った。味で勝負することを誓い、技術、人、設備の三位一体で改革を重ねた。 「清く、正しい、酒造り」を醸造哲学に掲げた。三輪山の清らかな空気感を液体で表現すること、各工程で手を抜かず正道を貫き効率を追わないことを、蔵人とともに実践する。たとえば、米ぬかを洗い落とす洗米は機械洗いするのが一般的だが、今西酒造では10キロずつ手作業で洗う。雑菌リスクと米が割れるのを避けるため、米は手運び。仕込みは小規模タンクに限定して品質を管理した。酒を搾った当日の瓶詰めと火入れで空気接触をぎりぎりまで減らし、出荷までマイナス5度で保管。「人としてできることは極限までやり切り、最後は発酵を神に祈る」。14年に立ち上げた「みむろ杉ろまんシリーズ」は「軽やかでおいしい」と、徐々に評価されていった。 現在の生産量は年1500石(一升瓶で15万本)。蔵人の数は、同規模の蔵の約4倍に当たる30人。「酒を主語に、人の効率を入れない」の態勢を10年かけて整えた。広告せず、営業担当を置かず、経営資源は品質向上にすべて注いでいる。 今回のコンペは5月に審査会があり、6月10日に結果が公表された。純米酒部門(日本酒の基本で、コストパフォーマンスに優れたもの)で「みむろ杉ろまんシリーズDio Abita(ディオアビータ)」が、純米吟醸部門(香り豊かで、きれいな酒質)で「みむろ杉ろまんシリーズ純米吟醸 山田錦」が1位となり、2冠を獲得した。純米吟醸部門では「三諸杉 純米吟醸」も3位になった。 今西さんは「味のみでたたえられる舞台で結果を出せたのは感慨深い。積み上げた成果が形になった」と話し、今後も酒をミリ単位で磨き続けるとともに、三輪が酒の聖地ということを広めていきたいという。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません







