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セーターを脱ぐと、パチパチと鳴ることがある。雷は、そうした静電気が巨大化した現象だ。 雷は、積乱雲から生まれる。強い上昇気流によって縦方向に大きく発達した雲で、高さは10キロを超えることもある。 雲の正体の一つは水滴だ。強い上昇気流に乗って、上空で冷やされると、凍って氷の粒となる。 粒は雲の中で激しくぶつかり、氷の粒はプラスとマイナスに分かれて電気を帯びると言われている。プラスとマイナスの電気がお互いに引き合うと放電し、雷が発生する。 雷によって熱せられた空気は3万度近くに達する。雷が直撃するケースは極めて少ないが、実際に事故は起きている。 大分県の陸上自衛隊日出生台(ひじゅうだい)演習場では2025年8月、訓練中の陸上自衛隊員2人が感電死した。 その4カ月前には奈良市の帝塚山中学・高校グラウンドで、部活動中だった中高生6人が搬送され、うち1人が意識不明となった。24年4月には、宮崎市のサッカー場で、熊本県から遠征に来ていた高校生18人が重軽傷を負った。雷から身を守るためには まず建物の中へ 雷から身を守るために――。雷のメカニズムに詳しい近畿大学の森本健志教授(大気電気学)に、対策を聞いた。 まず、音や光で雷が近いと感じたら、建物や車の中へ逃げ込むことだ。 もし近くに無ければ「電線の下」も選択肢となる。森本教授によれば、電線そのものに雷の電流が流れ込むため、その下は比較的安全という。また、電線をつなぐ電柱や鉄塔には、落雷対策が施されている。 ただ、電柱や鉄塔からは2メートルほど離れる必要がある。雷は高いものに落ちる性質があるが、近くに立つと、落ちた電流が飛び移る「側撃」に遭う危険性があるからだ。 電線や電柱などもない場合。樹木などの高いものから4メートル以上は離れ、両足をそろえてしゃがむしかないという。 とはいえ、建物や車に逃げ込む以外の対策は、「最後の手段」だと森本教授は強調する。「雷にとって10キロは一瞬で移動できる距離。音や光に接したら、すでに危険の中にある」 では、雷への備えは。 森本教授は「常に雲の位置や動きに注意すること」と話す。 気象庁が雷の可能性を予測して10分ごとに更新する「雷ナウキャスト(https://www.jma.go.jp/bosai/nowc/)」の活用を呼びかける。周辺で積乱雲が発生した場合は屋外での活動を中止し、雲の動きに注意するべきだと警鐘を鳴らす。 「雷雲が遠ざかるのか、近づくのか。日常的に雷ナウキャストを見て、見慣れておくことも対策の一つだ」と森本教授は話す。北陸で発生する冬の雷、夏より高エネルギー 雷には様々な種類がある…