インタビュー私たちの戦争ではない 米軍基地を攻撃された湾岸諸国の選択、日本は聞き手 編集委員・塩倉裕印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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世界中の米軍基地を調べる――そんな研究をしている国際政治学者が日本にいる。大東文化大学教授の川名晋史さんだ。米国とイスラエルがイランに先制攻撃して約4カ月。この間、国内に米軍基地がある湾岸諸国は巻き込まれ、イランから攻撃を受けた。在日米軍基地を抱える日本。この戦争の教訓は何だろう。東京・多摩地区にある米軍の横田基地をともに訪ねたうえで、川名さんに聞いた。国内に米軍基地がある日本 ――フェンスの外から初めて米軍横田基地(東京都)を見た際、印象に残ったのはその広大さでした。どこかにあるはずの滑走路がどの辺にあるのか、見当をつけることもできず……。 「横田基地は空軍の基地です。軍用機の離着陸には最低でも2500メートルの滑走路が必要とされます。ほかにも格納庫や駐機場などの施設、兵員や家族の住居施設や学校、商店などもあるため、広大になるのです」 ――基地内への立ち入りを禁じた看板に、日本語で「当該施設は軍用犬により巡回されている」と書かれていましたね。日本の領土内であるはずなのに、という疎外感を抱きました。 「米軍基地は世界各地にありますが、日本にある米軍基地の特徴の一つは、米国側が排他的な基地管理権を強く握っていることです。1950年代の朝鮮戦争の状況下で、日本の防衛力がまだ貧弱だった時代に在日米軍基地の基本構造がつくられたという事情が、背景にあります。いわば米国の既得権です」 ――横田基地のすぐ脇には住宅や商店や主要道路がありました。万一、台湾有事で米国が中国と軍事衝突する事態になったら、在日米軍基地の周辺地域にも中国からのミサイル攻撃による被害が及ぶのでしょうか。 「その質問に答える前に、まず現状を確認させてください。米国と中国がもし軍事衝突したら日本にどれくらいの犠牲が出るかを試算したシミュレーションは、確かに複数公表されています。しかし、中国は台湾に侵攻しないだろうとする観測も他方にはあります。台湾有事が勃発間近だという前提に立つことには、慎重であるべきです」 「その上で言えば、仮に米国と中国が軍事衝突する流れになれば、在日米軍基地がミサイル攻撃の対象にされる可能性はもちろんあります。米国と戦う国から見れば、米軍基地や自衛隊基地は真っ先に無力化させたい拠点だからです。残念ながらその際には、ミサイル攻撃の被害は基地の外にも及ぶでしょう」 「敵のミサイルを迎撃するシステムはもちろん存在しますが、もしこちらの防御能力を超える『飽和攻撃』をミサイルで仕掛けられたら、すべての攻撃を防ぐことは不可能です」 ――今年2月、米国がイスラエルとともにイランへの軍事攻撃を始めましたね。報道を見て気になったのは、湾岸諸国に置かれた米軍基地がイランからの攻撃を受けている事実でした。 「ええ。カタールやクウェート、バーレーンなど各国にある米軍の空軍基地や海軍基地などが、イランによる報復攻撃を受けました。被害は基地そのものだけではなく、基地内で働く現地の労働者や周辺のインフラと住民たちにも及んでいます」巻き込まれることが自明に ――米国が始めた戦争に巻き込まれた形ですね。国内に米軍基地があると米国の戦争に巻き込まれるとの懸念は、日本でも以前から語られてきました。 「従来型の『巻き込まれるか…この記事は有料記事です。残り2284文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人塩倉裕編集委員|論壇・オピニオン担当専門・関心分野論壇、オピニオン、調査報道関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






