買収価格の高さは正義か 価格偏重の「誤解」 経産省が解消に本腰中島嘉克 笹井継夫印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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経済インサイド 日本企業が関係するM&A(企業合併・買収)件数が2年連続で過去最高を更新するなか、一部で「買収価格の高さこそが正義」という風潮も生まれている。そんな「価格偏重」にお墨付きを与えたと指摘されるのが、経済産業省が3年前に公表したある指針だ。経産省も真意を伝えようと、事態の収拾に乗り出している。 2024年末に起きた買収騒動は、価格至上主義を色濃く映し出していた。これまでの経済インサイド モーター大手ニデックが、工作機械大手の牧野フライス製作所に対し、直近の株価より約4割も高い買収価格を提示。翌年春に株式公開買い付け(TOB)を始めると予告した。 「同意なき買収」提案に直面した牧野側は、こんな質問をニデック側にぶつけた。買収による具体的な相乗効果は? ニデックがこれまで買収した企業における従業員の離職率は? いずれも中長期的な企業価値に関わる問いだった。3年前の指針が生んだ「副作用」 ニデックは技術・開発面や販売・サービス面などで想定される相乗効果を説明したが、牧野側は抽象的で不十分だと受け止めた。離職率も開示されなかった。一方でニデックが強調したのが、買収価格の高さだった。 「ニデックの主張は一貫して『非常にいい価格だから受け入れるべきだ』というもので、買収後にいかに企業価値を高めるかという問いには正面から答えなかった」。牧野側で買収防衛対応の指揮を執った太田洋弁護士はそう指摘する。 両社の議論は平行線をたどり、最終的に東京地裁が牧野側の対抗措置を認める決定を下したことなどから、ニデックは撤退した。 「価格は悪くなかった。それでも、ニデックに買われた場合に牧野の中長期的な価値が高まったとは思えない」 太田氏の指摘は、その後発覚したニデックをめぐる不正会計問題の核心につながっている。 ニデックをめぐっては、買収…この記事は有料記事です。残り1597文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人中島嘉克経済部|経済産業省担当専門・関心分野デジタル、産業政策関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする