インタビューポピュリズムの台頭は民主主義の脅威? 欧州の経験と日本への教訓西尾邦明印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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世界的にポピュリズムが台頭しています。大衆迎合主義とも訳され、その高まりは民主主義の脅威とされています。ただ、ポピュリズムが人々の不満を代弁しているのだとすれば、それは正常な民主主義の「反作用」にもみえます。いったい何が問題なのか。欧州での事情に詳しい庄司克宏・慶応大名誉教授に日本への教訓とともに解説してもらいました。 ――そもそも、ポピュリズムとは何ですか。 自分たちの声が政治に届いていない――。そんな不満を代弁するかたちで広がってきました。特権的なエリートや既存の政治体制に反発し、一般の人々の怒りや不安を受け皿に支持を集める政治運動です。 移民排斥を主張する排外主義・ポピュリズムと、司法権の独立などを否定しようとする反リベラル・ポピュリズムに大別できます。前者にはフランスの国民戦線(現・国民連合)やドイツのための選択肢(AfD)があり、後者はハンガリーやポーランドで実際に政権をにぎりました。両者の主張は重なり合います。2015年の難民危機がきっかけ ――欧州でポピュリズムが高まったきっかけは何ですか。 2015年の難民危機です。シリアの内戦で苦しむ人々を救おうとした結果、欧州連合(EU)域内への難民申請者数が13年の34万人から15年に約122万人に激増しました。制度的にもEUはシェンゲン協定で域内のパスポートチェックをなくしていますが、大量流入に対策できなかったギリシャやイタリアは対応が不十分なまま、難民をドイツなどにスルーさせてしまいました。 エリート政治家は、正規の難民・移民は労働力不足を補うよいものだと説明しますが、実際にその割を食うのは下層の労働者です。「EUのせいで仕事を奪われ、治安が悪くなった」というポピュリスト政党の主張がSNSを中心に増幅されました。右・左ではなく、既存政党対ポピュリスト政党という図式になっているのです。権力チェックや少数者の権利がないがしろに ――ポピュリスト政党が人々の不満をすくい上げているのだとすれば、民主主義の正常な働きにもみえます。 問題は、チェック・アンド・…この記事は有料記事です。残り1408文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人西尾邦明欧州総局|経済担当専門・関心分野金融・財政、原発・エネルギー、AI・テクノロジー関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






