インタビュー寺下真理加印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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画家・ユーチューバー 柴崎春通(しばさき・はるみち)さん 78歳 「おじいちゃん先生」と慕われる、その人のユーチューブチャンネルは、登録者数213万人を誇る。 「こんにちは。柴崎です。お元気ですか?」 老紳士は動画の中で、自らを「柴崎」と呼ぶ。絵筆やクレヨンを自在に操り、構図や技法などを解説しながら、息をのむような完成度の絵画作品を仕上げていく。「こんなお年寄りになりたい」 こんなコメントが国内外から書き込まれる。「魔法みたい」「癒やされた」「こんなお年寄りになりたい」「自分も絵が描きたくなった」「長生きして」……。風景画を30分で完成させる往年のアメリカの人気テレビ番組「ボブの絵画教室」になぞらえる人もいる。 画家と絵画講師を50年以上続けてきた。さまざまな年齢、職業の人たちを教え、交流した。初心者にも分かりやすい教え方、挑戦してみたくなる表現技法など、絵の楽しさを伝えるノウハウの蓄積には自信がある。 「雑学や教養がないと、絵の見方も、描く絵も、薄っぺらになる」。本を読み、色んな国を旅した。だからネタは尽きない。「毎朝、ネコたちにひっかかれて目覚めたら『そうだ、今日はこんなことに挑戦してみよう!』って思いつくんだ」コロナ下の人々に「描く楽しさ」 10年ほど前に海外で個展を開きたいと考え、作品を知ってもらう方法を考えていた時、息子に「ユーチューブはどう?」と勧められた。2017年にチャンネルを開設。自身が企画、出演、撮影し、息子が編集するという役割分担で、これまで1千本以上の動画を公開してきた。 脈絡のない線や色が描き進むにつれて形を得て、完成した瞬間、見る者に感動を与える。コロナ下で不安の中にいた人々は、癒やしや活力を求めて、動画を繰り返し訪ねた。そして学校の授業以来遠ざかっていた、描く楽しさと出会い直した。 新作を発表する個展は、アイドルのファンミーティングさながらの活況だ。大型連休中の6日間、大阪市内で開いた個展では、動画で制作過程が公開されている作品が、数十万円の値段でも売れていく。画集や「柴崎」をあしらったアクリルスタンドなどのグッズ販売にも行列ができる。「柴崎先生、私も絵を描きたくて」と本人に打ち明けた後、感情が高ぶったのか涙ぐむ人もいた。 世界各国の、シニアも若者も魅了する。なぜだと思うか尋ねた。 「何の分野でも、SNS上に…この記事は有料記事です。残り3003文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人寺下真理加文化部|be編集部専門・関心分野音楽、民俗学、サブカルチャー関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする