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1日5億件とされるX(旧ツイッター)上での投稿。ビッグデータを使ってその傾向をつかむ分析が「費用」という壁に阻まれている。研究者向けに無料で提供されてきた情報取得がイーロン・マスク氏の買収後、有料化され、規模によっては1回の調査で数百万円かかることもある。「情報工作もわからなくなるのでは」と懸念する研究者もいる。 「特定のお金を持っている研究室だけがやれるとなると、それは科学と呼べるのか」 フェイク情報の研究などをする東京科学大の笹原和俊教授はそう語る。笹原さんは2016年の米大統領選でツイッターの投稿データを分析。同じ意見が閉じた空間で増幅される「エコーチェンバー」が生まれる過程を示し、研究は国際的に広く引用された。 研究によっては数百万件のデータで費用が数百万円かかると見込まれる研究もあるといい「探索的、学術的な研究はすごくやりづらくなった」と影響を語る。 ツイッター社の頃から、研究者や報道機関は「API」という仕組みを通じてデータを取得してきた。膨大な量の投稿を1件ずつ画面で確認して集めるのは現実的ではない。APIは、キーワードや期間などの条件を指定すると、該当する投稿を自動的にまとめて取り出せる仕組みで、例えば「衆院選」というキーワードを含む投稿を選挙期間中の分だけ一括で取得できる。マスク氏買収の翌年、突如廃止 しかしツイッター社はイーロン・マスク氏による買収翌年の2023年2月、研究者向けに月1千万件まで無料でデータを提供していた「アカデミックAPI」を突如廃止した。その後、料金体系の変更もあり、26年6月時点では、データ読み取りは1件あたり0.005ドル(約0.8円)で、100万件なら5千ドル(約80万円)、200万件を超えると最低5万ドル(約800万円)に跳ね上がる。 X社にAPI有料化などについて質問したが、期日までに回答はなかった。 調査ではどのくらいのデータを扱うのか。 朝日新聞が26年2月の衆院選での投稿を分析したところ、選挙関連の言葉を含む投稿が公示日だけで32万件を超えた。複数のキーワードを指定し、期間を延ばせば数百万件には簡単に到達する計算だ。 「高額な課金制だと教育も研究もできないし、学生も来ない。先細りになってしまう」。代替手段として笹原さんが取り組むのが、AI(人工知能)で仮想の人物を何千体も作り、そこにフェイクニュースが流れたらどう反応するかをシミュレートする研究だ。とはいえ「本物のSNSとは違う。苦肉の策」と笹原さんも認める。衆院選 高市氏批判のポスト 今後は…… 笹川平和財団の大澤淳・上席フェローは、安全保障の観点からXのデータ分析を続けてきた。 26年の衆院選では、「新型…この記事は有料記事です。残り1275文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人染田屋竜太東京社会部専門・関心分野事件・事故 国際ニュース(アジア)関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






