インタビュー藤井風はなぜタイで人気絶大なのか ユニバーサル社長が語る海外戦略聞き手・野城千穂 岩沢志気印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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日本の楽曲が海外でヒットしたり、欧米の大きな音楽フェスティバルに日本のアーティストが出演したりする例が増えている。こうした日本発のグローバルヒットを牽引(けんいん)するのが、海外でのアニメ人気を背景にしたアニメ関連楽曲だ。 だが、世界最大級の音楽企業ユニバーサルミュージックグループの日本法人「ユニバーサル ミュージック合同会社」の藤倉尚社長は、「『アニメの音楽だけ』になるのはリスク」と指摘する。 Adoや藤井風、Mrs. GREEN APPLEら国内外で人気のアーティストが数多く所属する同社は、海外展開についてどう考えているのか。日本発の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」の授賞式が13日に開かれるのを前に、藤倉社長に聞いた。 ◇海外での成功をめざし始めたアーティストたち ――まず、世界の音楽市場の中で、日本の位置づけをどう見ていますか。 日本の音楽市場はアメリカに次ぐ世界2位の規模です。その中で、日本のアーティストや音楽業界の人たちは、日本の1億2千万人にどう聴いてもらえるかに注力してきました。つまり世界2位と言っても、ほとんどが日本国内で聴かれ、買われ、ライブを見られていることになります。YMOで消えた「芸能界」 日本版グラミーに映る音楽の産業的側面 しかし今、様相が変わってきています。今でこそ日本の多くのアーティストが「海外で成功したい」と言いますが、コロナ禍の前はずっと少なかったです。 ――コロナ禍で、ストリーミングサービスが日本でも広く普及しました。 その影響もあります。加えてSNSも普及し、「この国でこんなに聴かれている」というデータやファンの反応が可視化され、志を高く持つアーティストが増えてきました。 私は、日本のアーティストや音楽は世界に負けていないと本気で思っています。ロック、R&B、ヒップホップ、ジャズがあり、シティーポップがあり、そして演歌もボーカロイド文化も、アニメやゲームの音楽もある。多様性と個性にあふれています。 ただそれを、世界に届けるためのツールや体制がまだまだ整っていないのが現状です。海外の認定は「アニメを好きな人たちが聴く音楽」?海外で「本当の意味での成功」をつかみ取るためには、何をすべきなのか。タイなどで人気が定着した藤井風さんの事例がヒントになりそうです。記事の後半では、当時のユニバーサルミュージックがどう動いたのかを振り返ってもらいました。 ――それでも最近は、海外でヒットする日本のアーティストの楽曲も増えてきました。特に、アニメのタイアップ曲は強力な印象がありますが……。 日本のアニメもゲームも、世界の人たちから高く評価されていますから、(タイアップは)曲が聴かれるきっかけとしては素晴らしいです。 でも今、難しいと考えているのは、「アニメを好きな人たちが聴く音楽」と認定され、その枠から外に飛び出しきれていないということです。アニメの曲は聴かれるけれども、それ以外は聴かれないのではもったいない。 「アニメの音楽だけ」になっ…この記事は有料記事です。残り3019文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人野城千穂文化部|音楽担当専門・関心分野音楽、舞踊岩沢志気経済部|消費・流通担当キャップ専門・関心分野食、エンタメ、流通、エネルギー関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする