無罪男性が起こした国賠訴訟、国側が控訴断念 担当検察官に「指導」2026年6月12日 20時00分松島研人印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

[PR]

詐欺罪で起訴され、無罪が確定した名古屋市の会社役員の男性(63)が、検察が男性に有利な証拠を開示せずに有罪主張の論告をしたなどと訴えた国賠訴訟をめぐり、国は男性への賠償を認めた名古屋地裁判決を受け入れ、控訴を見送ることにした。名古屋地検が12日、明らかにした。 担当検察官の対応をめぐり、最高検監察指導部が2024年10月に調査した結果、証拠のLINEデータについて、「少なくとも任意に開示するか否かを検討することが望ましかった。開示に思いが至らなかった行動には配慮を要する点がある」などと判断。検察官は異動先で指導を受けたという。 5月29日の地裁判決は、「証拠から矛盾を容易に認識できたのに起訴内容を維持した検察官の判断は行き過ぎだ」として、男性の請求を一部認め、国に110万円の賠償を命じた。12日が控訴期限だったが、地検は「控訴しても一審判決を是正できる見込みを得られないと判断した」と説明している。 野村安秀次席検事は国のコメントとして「近時、検察の活動への厳しい指摘がなされ、公正な職務遂行に疑いを生じさせないようにする観点から、参考にすべき点があることなどを総合的に考慮した」と説明した。証拠開示について「多角的に十分に検討するよう周知していく」などと述べた。 男性は「この事件が、他の冤罪(えんざい)事件の防止に役立つことを願う」と話した。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人松島研人名古屋報道センター専門・関心分野地方行政、平和、防災関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする