2026年5月29日 14時15分松島研人印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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詐欺罪で起訴され、無罪が確定した名古屋市の会社役員の男性(63)が、検察が男性に有利な証拠を隠して有罪主張の論告を行ったと訴えて、国を相手取り550万円の賠償を求めた訴訟の判決が29日、名古屋地裁(笹本哲朗裁判長)であった。判決は「証拠から矛盾を容易に認識できたのに、起訴内容を維持した検察官の判断は行き過ぎだ」などとして、男性の請求を一部認め、国に110万円の賠償を命じた。 男性は2019年、虚偽の債権を担保に知人から3千万円の融資をだまし取ったとして起訴された。一審・名古屋地裁は21年、有罪判決を言い渡したが、二審・名古屋高裁では、被害者とされた知人と融資を仲介した元弁護士のLINEの履歴が明らかになり、一審での証言との食い違いが判明した。23年、地裁の差し戻し審で無罪となり、確定した。 男性側は訴訟で、公判を担当した検察官がLINEの履歴を一審判決よりも前に入手し、起訴内容に反していると知りながら有罪論告をしたのは違法だなどと訴えていた。 判決は、検察官がLINE履歴を入手した時期が、一審の論告よりも前だったと認定。LINEの履歴の内容は複雑ではなく、「起訴内容との間に矛盾が生じていることは容易に認識できた」と指摘した。 検察官の対応について「裁判所や弁護人に経緯を説明し、証拠の開示をしたり、他の証拠での立証を検討したり、難しい場合は立証を断念したりするべきだったのに、漫然と論告をした」と批判した。 判決は、損害額の判断にあたり「有罪判決を受ける危険にさらされ、実際に一度は有罪判決を受け、精神的苦痛は大きい」と指摘。一方で、検察官の対応で新たに身体拘束された事情がないことなども考慮した。 名古屋地検の野村安秀次席検事は、「判決内容を精査中。今後の対応は、関係機関と協議するなどして検討する」とコメントした。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人松島研人名古屋報道センター専門・関心分野地方行政、平和、防災関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする