江戸期の琳派の絵師、酒井抱一が描いた「朝陽に四季草花図」の前に立つアリス・イエレン・ギッターさん=2026年5月2日、米ニューオーリンズ、青山直篤撮影

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欧州でのナチスドイツの迫害から米国に逃れ、全米屈指の眼科医となったユダヤ人の青年が日本と出会い、人生を懸けて江戸絵画を収集した。著名な日本美術収集家、カート・ギッターさんが3月25日、89歳で亡くなった。何が彼を突き動かしたのか。日本の美術品を多数保管し、啓発活動の拠点とした米ニューオーリンズの居宅を訪ねた。2024年3月、ジャパン・ソサエティーがコレクションを紹介する展覧会を開き、その際のレセプションに参加したカート・ギッターさん=チェン・チン氏撮影 「彼は日本の美意識を愛していた。その美意識が彼の人生に大きな影響を与えた」。迎えてくれた妻アリス・イエレン・ギッターさんはそう話した。 伊藤若冲、俵屋宗達、円山応挙など多彩な作品を集めたギッターさんは1997年、日本美術の調査研究のため財団を設立し、居宅内の施設に日本人研究者らを招いて文化交流にも尽力した。アリスさんは美術のキュレーターとして、夫とともに財団を運営してきた同志でもあった。「悳」(徳)の文字を記した白隠の書の前に立つアリス・イエレン・ギッターさん。画賛には、徳を積んで子孫にその精神を伝えていくことの大切さがつづられている=2026年5月2日、米ニューオーリンズ、青山直篤撮影豊かな色彩、そして白黒の美へ アリスさんに案内してもらい…