南極観測船の運用、海上自衛隊から海洋機構へ、輸送の大転換2026年6月5日 17時30分中山由美印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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次の南極観測船の運航を検討する委員会は5日、海上自衛隊から海洋研究開発機構へ引き継ぐ案をまとめた。今月下旬の南極地域観測統合推進本部で正式に決まる見込みで、六十余年続いた輸送体制は大幅に変わることになる。 南極観測船「しらせ」は2034年春に退役予定で、新船の建造を急ぐため、次期輸送体制を検討する委員会が4月から4回、議論を重ねてきた。 海自は1965年就航の2代目観測船「ふじ」から運航しており、4代目の現「しらせ」(全長138メートル、基準排水量1万2650トン)には乗員約180人を出している。 委員会で防衛省は「(24年度の)自衛官全体の採用は目標1万5千人のところ1万人に届かなかった。海自も充足率約9割が続き、見直しが必要」と人員不足を挙げていた。 ただ、約30人は新船に派遣する意向も示した。昭和基地周辺は夏でも厚い海氷が広がり、氷海航行や海氷上の物資輸送には特殊な技術を要するからだ。船舶会社が請け負うのは厳しく、その支援に要員を派遣するという。 案では、新船の運用主体は、北極域研究船「みらいⅡ」など様々な研究船を持つ海洋機構とする。乗船予定者を今の「しらせ」に乗せて氷海航行を経験させるなど「技術と知見の継承が必要」との意見も出た。 昭和基地周辺で物資を輸送し、野外観測地へ隊員を送るヘリコプターも必要となる。しらせ搭載は3機あったが、1機は国内の事故で大破。残る2機も整備費不足などでしらせより1年早い2033年春に使用が終わる予定だ。 海自に代わるヘリの運用主体は、観測隊派遣元の国立極地研究所になる。大型機から中型機に代わる見込みで、購入かチャーターかは未定だ。 輸送体制が大きく変わり、観測隊の編成も変わる。海自隊員、操縦士や整備士らヘリの要員は観測隊に組み込まれる。 新船は29年度から建造を始め、34年秋の南極初航海を目指す。 極地研の伊村智・南極観測センター長は「大きな転換点となるが、南極観測の歴史を途絶えさせないことが最重要」と話している。1956年からの南極観測船、現「しらせ」は4代目 現在の南極観測船「しらせ」は全長138メートル、基準排水量1万2650トン。厚さ約1.5メートルの海氷も割りながら進める世界屈指の砕氷船だ。さらに厚くて硬い海氷には、バックして勢いをつけて体当たりして割る「ラミング航行」をする。 初代の観測船は1956年11月に出発した「宗谷」(3853トン)で、海上保安庁が運航した。65年就航の2代目「ふじ」(5250トン)から海上自衛隊が運航する。3代目は83年就航の旧「しらせ」(1万1600トン)で、2009年就航の4代目が現在の「しらせ」。34年春に南極から帰国して退役となる予定だ。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人中山由美専任記者|南極・北極担当専門・関心分野南極・北極、地球環境、野生生物関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする







