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【社説PLUS】社説を読む、社説がわかる連載「社説PLUS」毎日のテーマに何を選び、どう主張し、誰にあてて訴えるのか。論説委員室では平日は毎日、およそ30人で議論し、総意として社説を仕上げています。記事の後半で、この社説ができるまでの議論の過程などをお届けします。 毎年、5月3日の憲法記念日の朝に届けられる朝刊には、その時々の政治・社会情勢を踏まえた「憲法社説」を掲載してきました。 新型コロナ対策の緊急事態宣言下で迎えた2020年、21年には、憲法が保障する自由や権利を大切にしつつ、どうやって国民の命や暮らしを守るのかを考えました。 ロシアのウクライナ侵攻で第2次世界大戦後の国際秩序が大きく揺らぐなかで迎えた22年。岸田政権が安保3文書の改定によって、戦後の抑制的な防衛政策を大転換した翌年の23年。この両年は、憲法が掲げる平和主義の意義を改めて見つめ直しました。 戦後80年の節目だった昨年は、第2次トランプ政権の登場で世界情勢が一層混沌(こんとん)とするなか、日本がめざす国のあり方の指針として、「普遍の原理を掲げた憲法を改めて選び取る時である」と論じました。 今年はどこに焦点を当てるか。高市早苗首相が憲法改正に強い意欲を示すなか、「高市改憲」を正面から取り上げることにしました。限られた行数の中で書き切れなかったことも含め、2回にわたる社説検討会議での議論の一端をお伝えします。【5月2日(土)社説】安倍首相の後継自任 高市首相は「改憲ありき」繰り返すのかこの社説ができるまで 論説副主幹・小沢秀行 憲法改正は自民党の党是ではありますが、時の政権が意欲を示す重要テーマに位置づけられるのは、第2次安倍政権以来のことです。 当時、朝日新聞の憲法記念日の社説は、「安倍政権と憲法」と題し、「平和主義の要を壊すな」(2014年)、「上からの改憲をはね返す」(15年)、「改憲を語る資格あるのか」(18年)など、批判的に論じました。 改正をめざす項目や、その理由が変転するなど、突破口になるなら何でもいいと言わんばかりの「改憲ありき」の姿勢や、憲法によって縛られる国家権力の側が改憲の旗を振るという「立憲主義の逆転」を厳しく指摘しました。 高市早苗首相は安倍晋三元首相の後継者を自任しています。安倍氏が成し遂げられなかった改憲へのアプローチは、「安倍改憲」の問題点をそのまま引き継ぐものではないか。安倍政権下の改憲の動きを概観するくだりを社説に盛り込んだのは、そんな問題意識を踏まえたものです。 「国の理想の姿を物語るものが憲法だ」という高市首相の憲法観について、憲法は国民の側に立って権力を縛るものだという立憲主義への無理解を示すものだとの指摘も検討会議でありました。 ただ、現行憲法も前文をはじめ、国の理想を示すものではないかという問いかけがあり、着目すべきは「理想」の中身ではないかという意見が続きました。その流れで、自民党が野党時代にまとめた「改正草案」の内容を改めて確認しました。 草案に関して社説ではそこまで詳しく触れていませんが、第3条で国旗・国歌を定め、国民は国旗・国歌を尊重しなければならないとするほか、家族を社会の「基礎的な単位」と位置づけ、「家族は、互いに助け合わなければならない」としています。 表現の自由については、「公益及び公の秩序を害する」ことを目的とした活動や結社は認められないというただし書きがついています。当たり前のように聞こえますが、当局の解釈次第で、表現の自由が侵されかねません。個人優先か 国家優先か 私たちは先の衆院選の期間中、「個人の生き方 国家にのまれぬよう」という社説で、国家や家族という枠組みの中で個人の尊厳が損なわれることがないようにと訴えました。改正草案に通底する、個人より国家や家族を優先する思想は、私たちの考えとは異なります。 朝日新聞は「憲法を一言一句…






