インタビュー2026年6月5日 14時00分照井琢見印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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内藤剛志さんが演じた警察官は数知れず。6月12日公開の劇場版「旅人検視官 道場修作」では、定年後に亡き妻の思い出をたどって旅する元検視官だ。 71歳の自分自身とも、重ねるところがあるという。「彼は70手前だから、ほぼ実年齢。一つの仕事をやり続けてきて、老年に入っていく。まさに僕の感覚でいいから、そういう意味では楽ですね」 BS日テレのテレビシリーズが映画に。往年の2時間サスペンスの空気を、令和の劇場に届ける。 今回の舞台は、四国・愛媛。「旅人検視官」と題するだけあってか、劇中には地元の魅力が盛りだくさんだ。正岡子規を生んだ「俳都」松山市に、和ろうそくの原料となる木蠟(もくろう)生産で栄えた内子町――。ただし、単なる観光情報ではない。これはサスペンス。事件の鍵を握る重要な伏線となる。 中島貞夫監督の「瀬降り物語」(1985年)をはじめ、撮影で愛媛を訪れたことは何度もある。「さんさんと日が照って、お城がきれいで、温かな気持ちになる場所。かんきつの爽やかな香りと一緒に思い出します」 撮影で訪れた地の記憶は、とりわけ強く残るのだそう。「芝居と結びついているから、映像的に思い出せるのかもしれません」 演じる道場修作は、伊予の地で思わぬ記憶と向き合うことになる。かつての過ちで未解決となっていた事件が、穏やかな時間をかき乱す。彼は前に進めるのか。 「人生というのは有限で、始まりがあって終わりがある。流れていく時間の中で、ちょっと立ち止まって振り返ってみると、あそこが始まりだったんだなと思うことって、あるんですよ」 自身は東京駅の近くに来ると、18歳で大阪から上京した時の記憶がよみがえるのだとか。かつて有楽町にあった朝日新聞社でアルバイト中、大森一樹監督から誘いの電話が会社にあり、「ヒポクラテスたち」(80年)で映画デビューした。 「するとね、昨日と今日は違うぞ、今日と明日とは違うぞ、と思えてくる。この作品にも、そういうメッセージは込められていると思うんですよ。一切そんなせりふはないけれど」。歩んで来た旅路が、自信となる。実感を込めて観客に送る、ひそかなエールだ。プロフィル ないとう・たかし 1955年、大阪府生まれ。「警視庁・捜査一課長」「科捜研の女」などテレビの刑事ドラマに多数出演。アニメーション映画「千と千尋の神隠し」で主人公・千尋の父の声も務めた。劇場版「旅人検視官 道場修作」は12日公開。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人照井琢見文化部|映画担当専門・関心分野エンタメ、性をめぐる常識・偏見関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする