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奈良県などが世界文化遺産登録を目指す「飛鳥・藤原の宮都」の構成資産の中でもひときわ目立つ、八角形のピラミッドのような牽牛子塚(けんごしづか)古墳。そこに眠るとされるのが、史上初の生前譲位と2度の即位(重祚(ちょうそ))をした女帝、斉明(皇極(こうぎょく))天皇だ。その生涯を、大阪大学の市大樹(いちひろき)教授(日本古代史)が人物叢書「斉明天皇」(吉川弘文館)としてまとめた。 後に斉明天皇となる宝皇女(たからのひめみこ)は、敏達天皇を曽祖父に持つが、祖父の押坂彦人大兄皇子(おしさかのひこひとのおおえのみこ)、父の茅渟王(ちぬのみこ)とも、天皇にはなっていない。だが、彦人大兄の息子、つまりおじの田村皇子と結婚し、彼が天皇となったことで皇后の地位を得た。 「田村皇子と結婚する前の宝皇女の記録はほとんどない」と市さん。彼女に連なる人間関係を調べていく中で、キーパーソンとして浮かび上がったのが、田村皇子の母・糠手姫(ぬかてひめ)皇女だ。 糠手姫は夫・彦人大兄の没後、その財産を田村皇子に継がせるために尽力したらしい。市さんは彼女が田村皇子を有力な皇位継承候補者とするために、同じ彦人大兄の血を引く宝皇女と結びつけたと推定した。 629年、田村皇子は舒明(…この記事は有料記事です。残り940文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人今井邦彦専門記者|歴史・文化財専門・関心分野歴史、考古学、文化財、サブカルチャー関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする