現場から海底ケーブル切断、追わせぬ影 「中国のグレーゾーン」警戒する台湾台南=高田正幸印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする【動画】海底ケーブルが切断された海域へ。台湾の海保当局のパトロールに記者が同行した=高田正幸撮影
[PR]
「海底ケーブル近くの海域にとどまっている貨物船がある。ケーブルを損傷するおそれがある」 台湾南部・台南市に拠点を置く海巡署(海上保安庁に相当)艦隊分署第4海巡隊庁舎で、阮仲慶・艇長が出動の指示を受けたのは2025年2月24日午後11時半ごろのことだった。一発の銃弾も放たれなくても、中国による軍事的威圧やグレーゾーン作戦はすでに始まっている。「戦わずして統一する」ことを狙う中国。こうした「ステージゼロ」の試みや、台湾をめぐる情勢を追った。 この貨物船「宏泰58」はその2日前から「海況の悪化」を理由に周辺海域にとどまっていた。海巡署は7回にわたって立ち去るよう無線などを使って警告していたが、一切応答はない。連日の高波がわずかに収まったこの日夜、阮氏に出動命令が下りた。 25日午前2時半ごろ、現場海域に到着すると、阮氏が目にしたのは古びて朽ち果てた「宏泰58」の姿だった。二つのいかりのうち、一つは欠損しており、もう一つが海中におろされているのが見えた。台湾有事「ステージゼロ」 データと衛星画像が暴くいまある危機 海底ケーブルを傷つけるおそれがあるため、いかりをおろすことが禁止されている海域だった。阮氏は「宏泰58」の船長に対して直ちにいかりをあげるよう要求した。 海底ケーブルを管理する中華電信から「海底ケーブルの信号が途絶えた」と海巡署に通報があったのは、「宏泰58」がいかりをあげ終えて約20分後のことだった。「現場を立ち去ることは許さない。我々の検査に協力せよ」。阮氏は告げた。「誰かは知らない」人物の指示 海巡署は「中国によるグレー…この記事は有料記事です。残り1427文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人高田正幸台北支局長兼香港支局長専門・関心分野台湾、香港、中国、反社会的勢力関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする














