印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする 台湾有事は、武力行使がなければ安心というわけではない。一発も銃弾が放たれなくても、中国による軍事的圧力やグレーゾーン作戦はすでに始まっているとされる。「戦わずして統一する」ことが中国のメインシナリオといわれる。
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台湾周辺の海底ケーブルを切断した中国人船長の古びた貨物船、空と海からの軍事的包囲、中国本土での実戦準備……。 こうした試みを「ステージゼロ」ととらえ、データと衛星画像などから可視化することを試みた。記事のポイント(1)台湾の東部からも攻略狙う?データで見る中国訓練(2)中国空母2隻が同時行動した狙いは(3)中国関連船が海底ケーブルを切断 (4)中国軍が本土で上陸作戦・短期制圧を準備(5)台湾が封鎖されると日本経済は(1)中国軍は台湾東部からも攻略狙う?――データが明かす実戦訓練の実態 朝日新聞は、2025年2月4日~26年5月17日の計468日間について、台湾国防部(国防省に相当)が公表した資料から、中国軍機や無人機、ヘリコプター、気球などの航跡と活動日数を抽出した。 台湾海峡の活動量が最も多い。実質的に中台間の休戦ラインとして機能してきた「中間線」を越えた活動が300日を超え、常態化している。 中国の台湾政策に詳しい東京大学の松田康博教授は「軍機を飛ばすことで、台湾のどこから緊急発進(スクランブル)や防空ミサイルが来るのかなどを分析している」とみる。 太平洋側に回り込む活動も活発化している。 台湾当局は東部地域に花崗岩(かこうがん)の山をくりぬいた地下に基地をつくり、山中に戦闘機など戦力を温存している。 松田氏によると、中国が台湾東部を攻略するためには太平洋上から攻撃する必要があるため、バシー海峡を抜けて太平洋側まで回り込んでいる。 一方、台湾北東部の空域活動は比較的少なかった。日本や在日米軍基地が近いためだとみられる。 25年2月~3月、同11月~26年3月、たびたび気球が台湾上空を横切っていた。中国の狙いについて、元航空自衛隊空将の小野田治氏は「心理作戦の一種」と話す。「気球は爆弾も搭載できる。台湾にいつでも攻撃できるということを見せつけているのだろう」 中国の軍機や無人機は日中の行動が基本だが、深夜から未明にも1~2割の割合で飛行していた。 小野田氏は「台湾が夜間にどんな活動をしているのかを哨戒機などが情報収集している」と指摘する。(2)空母2隻が太平洋へ同時進出――米国の介入を阻む演習か 25年5月末~6月末、中国海軍の空母「山東」と「遼寧」が初めて日本周辺の太平洋西側で同時に活動した。山東は沖ノ鳥島を回り込むような形で航行し、日本の排他的経済水域(EEZ)に一時入った。 一方、遼寧は宮古海峡を通過し、南鳥島の南西約300キロ沖を航行。日本のEEZに一時入った。その後、基地に戻った。 空母2隻が同時に太平洋で活動した作戦の狙いについて、島田和久元防衛次官は「空母の同時運用能力の実証や誇示にとどまらず、台湾有事で米国の介入を防ぐための訓練でもあったのではないか」と指摘する。二つの空母は互いに向かっていくような航行を続けた。山東が米軍空母役の遼寧を迎え撃つ訓練だった可能性があるという。(3)中国関連船が海底ケーブル切断――台湾が直面するリスク 台湾周辺では近年、海底ケー…この記事は有料記事です。残り1471文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人奥寺淳編集委員|米中・国際関係担当専門・関心分野米中、日中、国際関係高田正幸台北支局長兼香港支局長専門・関心分野台湾、香港、中国、反社会的勢力関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする







