深掘り日中関係悪化、出口なき「負のスパイラル」 台湾問題が最大の火種に編集委員・園田耕司印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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中国、国際会議で「新型軍国主義」批判を展開 台湾有事をめぐる高市早苗首相の国会答弁を機に始まった、中国の激しい日本批判が止まらない。 「日本がいわゆる『平和国家』の仮面を一枚ずつはがし、『新型軍国主義』という誤った道へと歩みを進めている」。国営新華社通信によると、中国外務省の郭嘉昆報道官は5月22日の会見で、日本の防衛費増に関する動きを批判し、アジア諸国にも警戒を呼びかけた。一発の銃弾も放たれなくても、中国による軍事的威圧やグレーゾーン作戦はすでに始まっている。「戦わずして統一する」ことを狙う中国。こうした「ステージゼロ」の試みや、台湾をめぐる情勢を追った。 中国の言う「新型軍国主義」とは、日本の防衛力強化や台湾への関与を戦後秩序への挑戦だとして非難する用語だ。国際会議の場でも盛んに用いて外交戦や世論戦を仕掛け、輸出規制などで日本への経済的圧力を強める。中国側の日本バッシングについては、米外交筋も「長期化は避けられない」との見方を強める。 日中関係の険悪化を招いた首相の発言は、昨年11月に国会で飛び出した。台湾有事について「存立危機事態になり得る」と、従来の政府見解を踏み越えて答弁。台湾を「核心的利益」と位置付ける中国は猛反発した。台湾有事「ステージゼロ」 データと衛星画像が暴くいまある危機高市政権にとって「想定外」の関係悪化 首相はもともと親台湾・対中強硬派で知られる。ただ答弁は、ここまでの関係悪化を思い描いてされたものではなかった。 政権発足直後の日中首脳会談では、石破前政権と同じように、共通の利益が一致する分野では協力し、双方に利益を生み出す「戦略的互恵関係」を打ち出した。「強い経済」を掲げる首相側は、経済政策を優先させるために、「中国とは経済関係が深く、険悪になる必要もない」(自民党幹部)と現実路線を選んだ。 だが、国会で台湾有事をめぐる対応について追及された際、想定問答集にない文言を「不用意に発言」(政府関係者)し、中国側を激怒させたのが実情だ。 日本側はその後、「今後、特定のケースを明言することは慎む」(首相)として事実上の発言修正を試み、事態の沈静化を図った。しかし、中国側はあくまでも発言の撤回を要求した。発言撤回は、日本にとっては有事対応の選択肢を自ら封じることになるため、要求に応じることはできない。中国側は、日本側に発言撤回の意思がないとみるや、対抗措置として経済的な威圧を次々と繰り出した。背景に対中感情悪化の国民世論 ここで高市政権の対応に大きな影響を与えているのが、日本国内の世論の動向といえる。朝日新聞の世論調査(2025年12月20、21両日実施)では、首相の国会答弁をきっかけに日中関係が悪化したにもかかわらず、中国への首相の姿勢を「評価する」と答えた人は55%に上り、「評価しない」の30%を大きく上回った。 近年の内閣府の世論調査でも…この記事は有料記事です。残り708文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人園田耕司編集委員|安全保障専門・関心分野外交・安全保障、日本政治、米国政治、国際政治関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする







