【社説】変わる警報・注意報 災害のリスク知って命守る行動を2026年5月27日 19時01分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするこの社説のポイント●気象庁が新しい防災気象情報を導入する。大雨警報などの伝え方が変わる●5段階の警戒レベルに結びつけて、危険度を直感的に伝える●災害から身を守るには、情報に慣れておきたい。気象庁・気象台と自治体の連携も不可欠だ

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大雨警報や注意報などの防災気象情報の伝え方が28日から変わる。災害シーズンを前に、複雑になっていた表現を気象庁が見直す。被災の危険度をよりわかりやすく伝えるのが狙いだ。一人ひとりが情報への理解を深め、命を守る行動につなげたい。政府には、情報が定着し、実際に機能するよう、丁寧な説明と検証を尽くす責任がある。 防災気象情報は、見直しを重ねる中で表現や区分が複雑になっていた。「警報」や「注意報」といった言葉だけでは、「どの程度の危険が迫っているのかイメージしにくい」との指摘もあった。 新たな枠組みでは、5段階の警戒レベルに沿って情報を再編する。切迫度に応じて②注意報③警報④危険警報⑤特別警報とする。情報の冒頭にレベルを明示。危険度を直感的に理解できるようにする。対象は河川氾濫(はんらん)、大雨、土砂災害、高潮の四つ。同じレベルなら「大雨注意報」「高潮注意報」と表現をそろえる。 特に重要なのが、レベル④に位置づけた危険警報だ。この段階では災害の危機が差し迫り、自治体が危険な場所から全員の避難を求める「避難指示」を出す。レベル⑤を待たず、④までに避難を完了する必要がある。高齢者や子ども連れなど避難に時間がかかる人は、より早い段階のレベル③での行動を求められる。日ごろからの備え不可欠 情報の見直しが効果を発揮するか。気象庁や各地の気象台と、現場で避難の判断を担う自治体が危険度を共有し、連携することが欠かせない。 災害から身を守るには、日ごろからの備えが不可欠だ。テレビやラジオ、インターネットなどで防災情報に日常的に触れ、表現に慣れておきたい。スマートフォンの防災アプリや、気象庁のウェブサービス「キキクル」を使えば、地図上で現在地の危険度を確認できる。一方、ネットに不慣れな人もいる。地域の防災訓練や近隣のコミュニケーションを通じて、孤立を防ぎたい。避難に支援が必要な人が取り残されないような地域の支援体制作りも急務だ。 防災情報の伝え方に完成形はない。2019年に警戒レベルが導入されたのも、前年の西日本豪雨で情報の切迫度が十分に伝わらず、多くの犠牲者を出した反省からだ。災害の教訓や予測技術の進歩を踏まえながら、より分かりやすく、命を守る行動につながる情報発信のあり方を模索し続けなければならない。警報・注意報どう変わる?どう動けば? 新情報のポイントを読み解く「社説digital」は、朝日新聞朝刊に掲載する社説をいち早くお届けします。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする