インタビュー聞き手・奈良部健印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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思いつきで行動する「独裁者」のトランプ米大統領には、戦略などない――。そう見下しているだけでは理解はおろか、対峙(たいじ)することもできない。「CEOウィスパー(経営者の助言者)」と呼ばれ、トランプ氏と25年以上にわたる関係があるというイエール大経営大学院のジェフリー・ソネンフェルド教授は、トランプ氏には「10の行動原理(十戒)」があると説く。アップルも日本企業の没落たどる? 創業50年、技術革新のジレンマ「思いつきでなく、戦略的」 ――トランプ氏の行動を「いい加減なカオス(混沌)」として片付けてしまうことは誤りだと主張していますね。 まずトランプ氏を理解しなければ、毎日彼の発言に驚かされ、振り回されるばかりです。支持者でさえ混乱しています。 ――思いつきではなく、戦略的な言動だと。 そうです。混沌として見えるけれども、設計されたものです。まず、すべての権力を自分に集中させるのが彼の原則の一つです。組織の情報をすべて自分に集めさせ、部下同士を連携させずに競わせることで、自身を唯一の決定権者にする。明確な報告ラインはなく、流動的です。機動的なので利点だという人もいるでしょう。しかし、問題は専門性が破壊されることです。忠誠心だけが求められ、宇宙の中心であるトランプ氏に異議を唱えられる専門家が周りにいない。「注意そらしの達人」 ――相手を攻撃することから交渉を始める「パンチでスタート」も法則の一つに挙げています。 話し合いの前に相手を攻撃して圧倒し、恐怖や混乱を与えて交渉の主導権を握ります。中国に対して、関税を145%に引き上げるといった数字を突如発表する。イランに対しては、数千年に及ぶペルシャ文化を破壊すると脅す。 経営学の交渉術とはまず信頼の構築を重視しますが、彼の交渉の仕方は血を流させることから始めます。そうすれば、その後で何をしても合理的に見えるようになると思っているのです。実際、中国との関税は平均で37%くらいになったが、それを「成功」だと言い張る。 ――トランプ氏は言動を変え、多くの話題を振りまきます。 めまぐるしくニュースを変えるのは注意をそらしたいから。目くらましです。ベネズエラのマドゥロ大統領を拘束した際、差し迫った脅威などはなかった。オバマ元大統領夫妻を猿に見立てて侮辱する人種差別的なSNSへの投稿も衝動でやったわけではない。トランプ氏の10の行動原理(1) 全権力の集中化(2) まずはパンチで交渉開始(3) 分断統治(4) 究極の強奪ディール術「表が出たらオレの勝ち、裏が出たらお前の負け」(5) 流動的友情(6) 騒音の壁(7) 勝者と敗者の世界観(敗者の徹底的排除)(8) 歴史の書き換え(9) 侮辱の帝王(複雑さの単純化)(10) ドナルド大王(誇大妄想的な演出) 自己破壊的に見えたとしても…この記事は有料記事です。残り1157文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人奈良部健サンフランシスコ支局長専門・関心分野テック、インド、財政と政治、移民難民、経済安保関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする







