中学生の英語力低下なぜ? 小中接続に課題「基礎分からないまま」寺沢知海印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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小学校で英語を教科化したのに、中学校段階の英語力が落ちた――そんな調査結果が波紋を広げている。小学校ではコミュニケーションを重視するが、中学に入ると急に文法や語彙(ごい)が求められ、単語数は以前よりも増えているという。専門家は「小学校英語の導入を前提に、中学校での学習ハードルを上げてしまったことが最大の要因」と指摘する。 昨年7月に公表された「経年変化分析調査」(2024年度)で、中学3年の英語の平均スコアが、前回(21年度)より低下した。国語と数学も下がったが、英語の低下幅が最も大きかった。 調査は全国の小6と中3の計約10万人を抽出し、原則として3年ごとに実施される。ほぼ同じ問題(非公表)が出題されるため、学力変化を比較することができる。 文部科学省はコロナ禍が影響した可能性を挙げ「『話すこと』が積極的にできなかった影響」とみる。ただ、「聞く」「書く」「読む」の項目でも正答率が低下していて、4技能が全体的に下がっている。小学校高学年で英語が教科化されたのは20年度。今回の調査対象となった中3は、当時小5だった世代だ。「アルファベットも書けない」 小学校では何を? 「中学入学時点で8割以上の生徒がアルファベットも書けない」 こう指摘するのは、北関東の中学で教える英語教諭だ。中1の最初の授業で曜日を書かせたところ、すべて正答したのは約30人中3人ほどだったという。 小学校の授業では「話す」「聞く」に重点が置かれているため、基礎的な文法や単語は中学で本格的に学び始める生徒が多いという。それなのに、中学で学ぶ英語の難易度は上がった。「重く受け止めるべき」「手を打たねば」 学力低下巡り、専門家会議 東京書籍が発行する中1向けの教科書「NEW HORIZON 1」の「ユニット1・パート1」の英文を比較すると、違いは明らかだ。 教科化前に使用されていた15年検定済みの教科書では「Good morning」や「I'm~」「Call me~」といった表現を使ったあいさつと簡単な自己紹介のみだった。 24年検定済みの教科書では「like」「love」「want to」などの表現を使った文も登場。「パート1」の単語数も2倍以上に増えた。 中学卒業までに学ぶ単語量は、小学校での教科化前は1200語程度だったが、現在の学習指導要領では少なくとも2200語に増加。さらに、以前は高校で教えていた仮定法なども中学の学習内容に含まれている。 都内のベテラン教諭は「1学期中にbe動詞、一般動詞、canを使った表現まで学ぶため、丁寧にアルファベットから復習する時間が取れない」と嘆く。 民間の英語教育団体「新英語教育研究会」が現職の中学教諭59人におこなったアンケートでは、現在の教科書について「内容が多く、扱いにくい」との回答が66%にのぼった。 また、小学校での英語学習の影響については「音声に慣れ、英語による指示がスムーズに伝わる」が49%だった一方、「語彙(ごい)や表現に触れた経験があり、中学校の内容に入りやすい」は23%にとどまった。 昨年末、中1の生徒770人に実施したアンケートでは、「私はオーストラリア出身ではありません」の正しい英文を四つの選択肢から選ぶ問題で、正解の「I am not from Australia」を選んだのは58.9%。不正解の一つ「I am don't from Australia」は24.3%の生徒が選んだ。中3英語力トップ、さいたま市の独自教材 小中の連携に力を入れ、英語…この記事は有料記事です。残り948文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする