インタビューかつて起きた甲子園の飛球事故 安全対策とファウルボールの全球調査2026年5月23日 14時00分構成・室田賢印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする

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日本高野連の元事務局長が語る「高校野球半世記」 25年前の第83回全国高校野球選手権大会(2001年)で、打球による失明事故が起きました。 仕事を終えて、ある日の第4試合をネット裏で観戦していたときのことです。グラウンドに照明がともる中、打席の左打者が引っ張った打球が一塁側のアルプス席に飛んでいき、ブラスバンドの女子生徒に当たりました。自チームの攻撃中は応援でグラウンドに向かっていますが、そのときは守備中で、彼女は楽器を拭いて下を見ていました。 事故を知り、大会役員と攻撃していたチームの学校長とで、緊急入院した先の兵庫医大病院に急ぎました。 遠方のため、ご家族はまだ到着していなかった。病室にいた彼女はアルミ製の眼帯をしており、あまりに申し訳なくて十分な見舞いの言葉を伝えられないまま、こちらが病室を出ようとすると、彼女は「校長先生、このことは(打った)選手は知っていますか」と尋ねてきました。選手にまだ伝えていないことを明かすと「言わないでください。次の試合に差し支えますから」と。この状況で選手を気遣う言葉に、胸が締めつけられました。 学校側、そして主催者とで十分な安全配慮ができていたか、課題を残しました。 翌年からの対策として、まず出場校にはスタンドで応援する野球部員にグラブを持ってブラスバンド周辺を警戒してもらうことにしました。貸しグラブも用意しました。 次に、当時ブラスバンドはアルプス席のほぼ中央に座っていたのですが、内野席との境にあるネット際に座ってもらうようにしました。それが現在の位置です。 さらにプロ野球と違って高校野球の大会時だけ、アルプス席と内野席の仕切りネットを2メートルほどかさ上げしました。なおかつ、打球方向を注意して見てもらうために、それまで回収していたファウルボールはプレゼントすることにしました。 他にも、春夏の甲子園大会でスタンドに飛び込むファウルボールの全数調査をしました。 第84回大会は1試合平均で約11個がスタンドインしていた。1試合のうち約2個が鋭く危険な打球で、最も打球が多く飛んだゾーンは一塁側ベンチの後方でした。 このデータを都道府県高野連に伝え、地方大会で使用する球場でも危険な箇所を確認してもらい、観客への注意喚起を要請しました。 あのブラスバンドの女性生徒の事故が起こって以降、大きな飛球事故は報告されていません。これからも球場に訪れる際は、ファウルボールに気をつけて観戦していただきたいと思います。 ◇ 日本高校野球連盟の事務局長や理事などとして半世紀にわたり、運営に携わってきた田名部和裕さん(80)が、高校野球の歴史を振り返ります。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人室田賢スポーツ部|高校野球担当専門・関心分野スポーツ、社会関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする