重症心身障がい者と親を支える 介護と啓発でめざすノーサイドな社会石田耕一郎印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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乳幼児から高齢者まで、重症心身障がい者への切れ目のない介護サービスを行う会社が、大阪府東大阪市にあります。「誰もが暮らしやすい社会の実現」をめざし、啓発活動にも積極的です。理念にひかれた人らの輪がジワリと広がっています。カンサイのカイシャ ここがオモロイ! 平日の午後3時過ぎ、生駒山を臨むデイサービス施設「ノーサイド石切」に、大型バンが次々に到着した。降りてきたのは、近くの府立東大阪支援学校などに通う小・中・高生の子どもたちだ。心身に重度の障がいがあり、夕方までの時間を、看護師を含むスタッフに見守られて過ごす。 100平方メートルほどの部屋で、10人ほどの子らの様子を取材していると、車いすに乗る女の子から尋ねられた。「なまえは、なにですか?」。伝えた氏名を、たどたどしく、でも、一生懸命に復唱する彼女の姿に、自然と表情が和らぐ。傍らにいた運営会社「ノーサイド」代表の中西良介さん(46)が言った。「支援がないと暮らしていけない障がい児や、家族を助けたいと考えて始めた事業だったが、今では、自分たちこそ、子どもらから充実感を与えられ、幸せにさせてもらっていると感じる」 中西さんが31歳でノーサイドをつくったきっかけは、20代の頃にヘルパーとして働いた介護事務所で、多数の重症心身障がい児に接した経験だった。約30人の入浴介護などを担当したが、スタッフ不足もあって深い交流を求める子らの望みに応え切れず、「ごめんね。また今度ね」とわび続けた。その罪悪感が、当時は多くなかった重症心身障がい児向けサービスを、安定して提供する体制づくりの原動力になった。 重症心身障がい児には、常に人工呼吸器を使用したり、胃ろうなどの経管の栄養補給が欠かせなかったりする子もいる。24時間の医療的ケアが必要で、かつては介護を担う親が、就業や社会との積極的な関わりをあきらめざるをえないケースも少なくなかった。 中西さんは、ノーサイド設立後に利用者の親から聞いた「温かい食事をとれたのは、この子を産んでから初めて」という感謝の言葉が忘れられない。卒業後も受け入れ継続、働く親をサポート 口コミで利用者が増えるにつれ、重症心身障がい児の卒業後の受け入れ先が少ないこともわかり、サービスの対象を18歳以上にも広げた。今では利用者の親の多くがフルタイムで働けているという。 一方で、中西さんは経営を通…この記事は有料記事です。残り583文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする






