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使用後に重い肝臓の障害がみられ、20人の死亡が報告されたキッセイ薬品工業が販売する血管炎治療薬「タブネオス」(一般名アバコパン)。死亡との因果関係は不明だが、キッセイや国は慎重に使用するよう呼びかけている。この薬はどのような特徴があるのか。 血管炎は、全身の血管のどこかに炎症が起きる病気の総称。タブネオスは血管炎のうち「顕微鏡的多発血管炎」と「多発血管炎性肉芽腫症」の患者に使われている。いずれも難治性で、国の指定難病になっている。 免疫を担う白血球の「好中球」は、主に細菌から体を守るはたらきがある。この二つの病気では、好中球どうしが誤ってくっつくことで抗体ができ、抗体と好中球が刺激し合い、血管に炎症が起きると考えられている。高齢者が多い血管炎 治療で「寛解」も とくに皮膚や神経、肺、腎臓などの細い血管に影響が出やすく、あざや手足のしびれ、息切れ、血尿、たんぱく尿など全身に様々な症状が出る。 患者は高齢者が多い。早めに治療をすれば、症状を抑えて「寛解」状態を長く維持できる。 治療では、ステロイドと免疫抑制剤、生物学的製剤を使って抗体の量を一気に減らし、血管の炎症を抑える。専門家「ステロイド減らせる薬と期待」 東京科学大の保田晋助教授(膠原(こうげん)病内科)によると、8割ほどの患者は治療によりいったんは寛解になるという。寛解を維持するためには、治療薬を使い続けていく。 ただ、ステロイドは、使う量が多かったり、使用が長期になると副作用が出ることがある。感染症にかかりやすくなるほか、糖尿病や高血圧、骨粗鬆(そしょう)症、白内障といった高齢者にみられる持病の悪化につながる。 このため、保田さんは「高齢者には多くのステロイドをなるべく使いたくない。その点で、ステロイドをかなり減らせる、もしくは代わりになるかもしれないと期待されていたのがタブネオスだった」と話す。 タブネオスは、1日2回のむ…この記事は有料記事です。残り545文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人後藤一也くらし科学医療部|医療担当専門・関心分野科学、医療関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする