薬の処方ミス、難病発症し患者死亡 カルテのアレルギー歴確認怠る2026年5月21日 6時30分嶋田圭一郎印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする
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三重県桑名市の地方独立行政法人・桑名市総合医療センターが、気管支ぜんそくの60代の男性患者に対し、過去にアレルギーを発症したため投与してはならないとされる薬を処方し、男性が副作用とみられる難病を発症して死亡していたことが、センターへの取材でわかった。カルテに明記された薬剤アレルギー歴を確認せず処方したという。センターは「過失があった」と認め、遺族側への補償を検討している。 センターによると、男性は2月中旬、気管支ぜんそくの発作で救急搬送され、センターに入院した。下旬に退院する際、気管支ぜんそくのステロイド治療にあたって心配される感染症を防ぐため、医師から抗菌薬「バクトラミン」を処方された。数日間服用した後、高熱が出て、体の皮膚や口内などが広範囲に赤くただれる症状が現れた。センターを通じて近隣の愛知県内の病院に搬送され、入院。腸閉塞(へいそく)も発症し、3月23日、敗血症性ショックで死亡した。 服用後に発症した病気について、センターは「スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)」と説明。発症頻度は年間100万人に数人程度とされる。関係者への取材によると、SJSから進行したより重篤な「中毒性表皮壊死(えし)症(TEN)」が死亡時の診断書の病名として書かれていた。いずれも命を落とす可能性がある指定難病で、原因の多くは医薬品の副作用とされる。 バクトラミンは、添付文書(薬の安全な使い方などをまとめた公的な説明書)の中で、この薬でアレルギー症状が出た患者には投与してはならないとして「禁忌」の項目に明示。また、「重大な副作用」としてSJSやTENなどを挙げている。 センターによると、男性のカルテには、数年前に別の病院でバクトラミンによる薬剤アレルギーを発症した記録が明記されていたが、確認を怠ったという。センターの中村博明管理部長は取材に、「カルテで把握できる環境にあった以上、過失以外の何ものでもない」と話した。三重県医師会に概要を報告した結果、病院側に責任がある「有責」と判断されたという。 センターは院内に事故調査委員会を発足させ、医学的検証やアレルギー歴を確認しなかった原因の究明、再発防止策を検討する一方、補償交渉を進めていくとしている。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする









