参政の躍進と中道の挫折、自民の大勝… 朝日阪大調査で見た栄枯盛衰有料記事小宮山亮磨 グラフィック・中田竜成2026年5月18日 7時00分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする 国民民主党の台頭と失速、参政党の躍進、中道改革連合の立ち上げと挫折、そして惨敗の後に大勝した自民党――。わずか1年余りの間に政界で起きた目まぐるしい変化を、朝日新聞が大阪大の三浦麻子教授(社会心理学)と始めた共同調査のデータから振り返ります。

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10~30代の政党選び、「イデオロギーより豊かさ」 経済対策重視 朝日阪大調査は2025年2月に始まり、約7千人の回答を得た。 その前年の東京都知事選。現職の小池百合子氏が3選したものの、元広島県安芸高田市長の石丸伸二氏がユーチューブなどで注目を集め、元民進党代表の蓮舫氏を上回る票を得た。 秋の兵庫県知事選では、県議会から不信任決議を受けて失職した斎藤元彦氏が、ネット世論の追い風や、政治団体「NHK党」党首の立花孝志氏の応援を受けて再選を果たした。 立花氏は、知事選に立候補しながら斎藤氏の応援に回るという、いわゆる「2馬力選挙」を展開。都知事選でも、多数の候補者を擁立して選挙ポスターをはる権利を販売する手法が物議を醸した。 公職選挙法が想定していなかった選挙戦が繰り広げられている――。 有権者をとりまくメディア環境が激変するなか、世論の大きなうねりをどうしたら捉えられるのか。 有権者が重視する点や、支持政党の移り変わりを、できるだけ素早く、継続的に調べたい。朝日新聞は、コロナ下で揺れ動いた人々の心理をネット調査で研究してきた三浦さんに、協力を求めた。 調査を始めた当初、注目を集めていたのは国民民主だった。 前年10月の衆院選で「年収103万円の壁」の見直しや「手取りを増やす」ことを掲げ、公示前の4倍となる28議席を獲得。朝日新聞の世論調査でも、支持率は衆院選の前後で2%から10%へと急伸した。玉木雄一郎代表はその勢いのまま、「今までよりも強い交渉力を持って政策を実現していく」と述べた。 ただ、勢いは続かなかった。参院選に向けて擁立した候補が過去の言動から強く批判され、混乱の末、公認を取りやめた決断がSNSでさらに批判された。 朝日阪大調査で回答の変遷が追えた1773人のデータを分析すると、比例区の投票先として国民民主を選ぶと答えた人は、25年2~3月に13.6%、4~5月に14.2%と15.8%の自民に肉薄したが、参院選直前の7月には9.8%へ急減した。 国民を離れた人が向かったのが、「日本人ファースト」を掲げた参政だった。 投票先として参政を選んだ人は4~5月に1.7%しかいなかったが、7月には7.6%へ急増した。増えた分の半数が、それまで国民を選んでいた層からの流入だった。勢いに乗った参政は結局、参院選で公示前の2議席から非改選も含めて15議席へと躍進した。 一方、自民は、連立与党を組んでいた公明党と合わせても過半数を守れず惨敗した。石破茂首相は退陣に追い込まれ、かわって高市早苗氏が自民党総裁になった。憲政史上初の女性首相が誕生した。 自民の人気は一気に高まった。 参院選以降で回答の変遷が追えた1082人をみると、投票先として自民を選んでいた人は、25年7月に18.9%だったが、高市首相が就任した直後の11月に26.1%、衆院選前後の26年1~2月には29.9%まで伸びた。 高市首相誕生の前後で、自民支持に乗り換えた人の9割超が、高市氏に好感を持っていた。 一方、連立政権から離れた公明は立憲民主党と中道改革連合を結成し、保守色の強い高市政権に対抗しようとした。 結成後に中道を選んだ人は12.4%で、25年11月時点の立憲10.4%と公明1.8%を足した数字とほぼ同じだった。 だが、衆院選は、自民が圧勝する結果になった。自民は単独で3分の2を上回る316議席を獲得し、中道は惨敗した。 比例区の投票先としては中道は自民に次いでそれなりの支持を得ており、新党結成が失敗したとは言い切れない。大差がついたのは小選挙区制の結果と言える。 調査では、政治的立場の自認…この記事は有料記事です。残り1349文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人小宮山亮磨デジタル企画報道部兼くらし科学医療部専門・関心分野データ、統計、自然科学、社会科学中田竜成デジタル編成本部 | デザイナー専門・関心分野グラフィックデザイン関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする