【将棋ライブ】藤井聡太名人ー糸谷哲郎九段 ~名人戦第4局1日目~
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将棋の第84期名人戦七番勝負の第4局が16日、大阪府高槻市の高槻城公園芸術文化劇場で始まりました。ここまで3勝0敗の藤井聡太名人(23)が無傷の4連勝で決着をつけるか、挑戦者の糸谷哲郎九段(37)が待望の1勝を返して反撃ののろしを上げるか――。注目の一局をタイムラインで詳報します。 立会人は桐山清澄九段(78)、副立会人は稲葉陽八段(37)。 主催=朝日新聞社、毎日新聞社、特別協賛=大和証券グループ、地元共催=高槻市、高槻市観光協会、高槻市文化スポーツ振興事業団。藤井聡太名人、糸谷哲郎九段に聞いた 将棋における「闘志」「性差」1日目振り返り 副立会人の稲葉八段と大盤解説担当の大橋七段がユーチューブ「囲碁将棋TV」に出演し、1日目を振り返った。 稲葉八段は「じっくりした将棋。まだ戦いが起こっていないので、先は長そう」「糸谷九段はオーソドックスな矢倉囲いにした。普通のきれいな将棋で、ある意味、新鮮です」と話した。 2人は封じ手に△1四歩と△2二玉を予想。大橋七段は「形勢は五分だと思う。後手は△2二玉とすれば玉がしっかりして、安心して攻めていくことができそう」と語った。 17日午前9時から2日目が指し継がれる。18:30糸谷九段が封じる 糸谷九段が、立会人の桐山九段に次の48手目を封じる意思を示した。 糸谷九段は封じ手の用紙を受け取ると別室へ。次の手を記入して再び対局室に戻り、封じ手の入った封筒を桐山九段に手渡した。 これで1日目が終了。17日午前9時から再開される。持ち時間各9時間のうち、消費時間は藤井名人が4時間2分、糸谷九段が4時間3分。18:00糸谷九段の弟子、来訪 糸谷九段の弟子、井上岳2級(15)も現地を訪れ、取材本部での検討に加わった。 小学校低学年のころから、元奨励会三段の藤田彰一さんにオンラインで指導を受け、腕を磨いた。小学4年のとき、藤田さんの紹介で糸谷九段に入門を許されたという。 「(自分が指した将棋の)棋譜を見ていただいたり、時には関西将棋会館の棋士室で指導対局をしていただいたり。本当に、気さくに、丁寧に指導していただいています」。師匠の奮戦を近くで勉強したくて、師匠にお願いして、取材本部での勉強の機会を得た。「頑張ってほしいですね」と水を向けると、ニッコリ笑って、黙ってうなずいた。 森信雄七段(74)門下の妹弟子、佐々木海法(みのり)女流初段(21)も取材本部に駆けつけた。「私は(井上2級の)おば弟子になるんですね」と笑っていた。16:00大盤解説会に桐山九段 大盤解説会に立会人の桐山九段が登場した。 「私は(盤面の解説とは)ちょっと違った話を」と切り出し、将棋の対局に欠かせない記録係について語り始めた。記録係とは、対局に立ち会って指し手や消費時間を記録する役目のことだ。 一緒に登壇した井田明宏五段(29)が「30回ぐらいはタイトル戦の記録係をやらせていただいた」と語ると、桐山九段は「プラスになりましたか?」と問いかけた。井田五段は「とても勉強になりました。タイトル戦に出られるような棋士の見えている世界は違うなと実感し、学びが多かったです」と応じた。 桐山九段は「(記録係は)対局者の次の手を一緒に読むわけですね。タイトル戦に出る棋士は最高峰なので、なかなか同じ手を予想するのは難しいですけど、真剣勝負の雰囲気をつかみ、『もし自分が対局者なら、この局面でどう考えるか』を考えるので、非常に有意義ですよね」と語った。 本局の記録係は、戸川悠二郎三段と大林真央人二段が務めている。15:30関西の棋士、続々と 現地取材本部に谷川浩司十七世名人(64)が来訪した。直前の第3局で立会人を務めたばかりで、「明日は予定があって、顔が出せないので……」。 糸谷九段の兄弟子、山崎隆之九段(45)の姿も。山崎九段が「近くまで散歩で来たので、ついでに……」と言いながら、糸谷九段の応援で現場に駆けつけるのは、今シリーズおなじみの光景となった。 囲碁棋士の関山利道九段(52)=関西棋院=、長女の関山穂香初段(18)=日本棋院関西総本部=も来訪。5代続く囲碁プロ棋士として有名な父娘は、高槻市の隣の島本町在住で、関西の将棋棋士らとも親交が深い。 利道九段が「勉強に(来ました)……」というと、穂香初段は「将棋名人戦の雰囲気を感じることを、めちゃくちゃ楽しみにしていました。棋士の先生方が検討されている様子を間近で見学させていただけて、勉強になります」と笑顔で話した。15:10藤井名人も長考 34手目△7四銀を見た藤井名人が長考に沈む。その直前の▲4六歩に32分考えていただけに意外に映る。考慮時間は1時間を超えた。 中継画面ではAIの最善手が▲5五歩と示されている。△同歩なら▲4五桂△4四銀▲5四歩で次の▲5三歩成が厳しい。▲5五歩には△5二飛がAIの推奨手で、以下▲5四歩△同飛▲5八金が想定手順。後手は糸谷九段が好む「相居飛車での中飛車」の構えだが、糸谷九段はこうした展開も予想しているのだろうか。 午後3時10分、ついに藤井名人の手が盤上に伸びた。▲6八角。すぐには攻めず、陣形整備を図る落ち着いた手だ。 ただ、角を右方向に働かせるにはもう1手▲4五歩と突く必要があり、まだ駒組みの道半ばという段階だ。1時間12分という考慮時間から判断すると、予定通りの進行ではないのかもしれない。 藤井名人は攻撃開始を断念したのか、それとも初めからそのつもりはなかったのか。それは対局中には誰もわからない。15:00午後のおやつ 両対局者に午後のおやつが出された。 藤井名人と糸谷九段は両者とも、高槻市芥川町の人気店「公園と、タルト」のフルーツタルトをオーダーした。6種の中から、藤井名人が「ブルーベリーのタルト」、糸谷九段が「清見オレンジのタルト」を選んだ。14:00糸谷少年のエピソード 午後1時から始まった大盤解説会に、副立会人の畠山八段と加藤女流四段が登壇した。 畠山八段は、棋士養成機関「奨励会」で幹事を長く務め、糸谷九段らを厳しく指導したことで有名だ。「私に叱られた子たちがドンドン強くなって……。私がラッキーアイテムみたいになっちゃった」 畠山八段が紹介した思い出話の一つは、以下のとおり。 ある日、少年時代の糸谷九段が奨励会の対局の時、湯飲みを三つ持って、奨励会幹事が座っている席に向かってきた。畠山八段と一緒に幹事を務めていた井上慶太九段(62)が「糸谷くん、俺らの分のお茶までいれてくれるなんて、気が利くな~」と感心していたら、糸谷少年は三つの湯飲みを持ったまま、自分の対局していた席に戻っていった。 畠山八段は思わず、ひとこと。「糸谷! 湯飲みは1人1個!」 その後、糸谷少年が勝って、幹事席に勝利を報告に来た時、「勝ちました~。湯飲み、失礼しました」。なんとも憎めない、愛らしい少年だったことが分かるエピソードだ。 聞き手の加藤女流四段は「私も、先生に叱られたかったです……」。 畠山八段は、教え子の今期名人戦での苦戦が気にかかる様子で、「昔のように、もうちょっと伸び伸び指したら、いいのになあ」と話していた。13:00対局再開 午後1時、対局再開。まもなく、糸谷九段が30手目△7五歩を着手した。1時間38分の大長考だった。 直前の、昼食休憩時の局面について、副立会人で解説者の稲葉八段は「例えば、△7五歩と仕掛けるか、△5二金と自陣を整備するか、どちらも有力そうです。大きな分岐点なので、糸谷九段も読みを入れているのだと思います」と話していた。 以下、▲同歩△同角と進んだ。■昼食休憩[12:00]…






