現場から「悔しくないか?」背中押した一言 山火事の前線、立ち続けた消防団浦島千佳 東野真和印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする岩手県大槌町で起きた山林火災の最前線で奮闘する地元の消防団

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「先輩、補助お願いします!」「いま、応援も来るから!」 山肌に立ち上がる炎が、じわじわと迫る。民家まで100メートル。絶対に、延焼させない――。 岩手県大槌町で起きた山林火災では、地元の消防団が奮闘した。直後から不休で動き、全国の消防が応援に入った後も、土地勘と機動力を生かして前線に立ち続けた。岩手県大槌町では震災後、朝日新聞の記事で確認できるだけでも、16回の避難指示が出ています。津波や台風、土砂災害への警戒、そして山林火災。災害の危険とどう向き合うか。海と山に囲まれた町で考えます。 町消防団の第3分団に所属する佐野智則さん(29)は、火災が起きた4月22日、運送会社のドライバーとして勤務中だった。夜、仕事着の上から防火服をはおり、現場に向かった。 ごうごうとあがる炎。焦げた臭い。肌に感じる熱気。先に到着していた先輩団員たちと、無我夢中で放水した。 消防士の姿はまだ見えなかった。左右を見渡すと違う場所も燃えている。場所を変えながら、夜通し消火にあたった。 緊急消防援助隊が来てからも、団員たちは前線に立ち続けた。いたるところで火の手があがり、地域の人から次々に「来てほしい」と直接連絡が入る。態勢に限りがあるなか 分団長の大森勝美さん(56)は必死だった。「態勢に限りがあるなか、火がどれだけ民家に迫っているかや風向きを考えながら、優先順位をつけていった」 住民とも顔見知りの団員たちが先に現場に着き、放水する。消防が着くと任せて、次の現場に備える。場所によっては、一緒に活動した。自前の軽トラックで地域の見回りもした。 佐野さんは、何度も消防団に誘われたが、仕事との両立が不安で断ってきた。背中を押したのは、大森さんの一言だった。 「大事な人たちの家が燃えそ…この記事は有料記事です。残り788文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人浦島千佳盛岡総局専門・関心分野教育、子育て、暮らし、文化、平和東野真和釜石支局長|震災復興・地方自治担当専門・関心分野震災復興、防災、地方自治、水産業関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアする