有料記事山本悠理2026年8月23日 16時00分印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする 海を越えて疾駆する、火の玉のような言語――。そんな思いが頭をよぎったのは5月、吉増剛造さん(87)の受賞の知らせに触れたからだ。インクを垂らした原稿用紙を燃やし、多重露光の写真や映像を撮り……。言語の深淵(しんえん)に迫る希代の詩人はこの度、英「サーペンタイン×FLAG美術財団賞」の第1回受賞者に選ばれた。60年余の詩作の結実。満足も深いのではと話を聞きにいったが、吉増さんがまず漏らした言葉は「恐ろしい」だった。
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【動画】詩人・吉増剛造さんの朗読「珠洲に美しい灰色の鉛筆が立っていた」 ――日本詩壇を率いてきた詩人として、今回の受賞をどう受け止めましたか。 海外の名だたるキュレーターの方が、どちらかといえば少数言語として、細々と表現をつないできた日本の現代詩に美の可能性を見いだした。その驚きは、今も消えません。 そして60年、70年と日本で現代詩を続け、読者も決して多くはない、この閉じこもり型の孤独な精神によく気づいてくれた、と。 リルケ、ボードレール、イエーツ。そんなそうそうたる詩人たちの、ほんのわずかな影を背負って「東洋の隅っこで、お前はよくやってきたね」という声が聞こえます。 ――副賞として、2027年はロンドン、28年はニューヨークでの個展が開かれます。 そうですね……。これからの展示では次の段階、可能性をハッキリと示すような、怖いような声が聞こえてきます。むしろ、恐れを感じるくらいの気持ちというか。 ――どういうことでしょうか。言葉の宇宙を歩き続ける詩人・吉増剛造さん。インタビュー後半では自身の詩作の奥底にある「非常時性」、そして、ともに詩壇の双璧を担ってきた谷川俊太郎さんへの思いについても語っています。 イエーツの言葉を借りれば、詩人の仕事とは「夢に責任を持つ」ことです。自分の耳でかすかな声を聞き、夢のなかでそれを育てて、そうして出来たものを皆さんにかろうじてお伝えする、といった責任です。 僕にはちょっとずるいところ…この記事は有料記事です。残り2192文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりませんこの記事を書いた人山本悠理文化部|be編集部専門・関心分野現代詩、現代思想、演劇・演芸、法律学関連トピック・ジャンルジャンル印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする






