アマゾンの「タクト一振り」で秩序は混沌に 偽造品訴訟が問う責任若江雅子印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする

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アナザーノート 若江雅子編集委員 想像してほしい。あなたはアマゾンのネット通販サイトに自社製品を出品し、売り上げの多くをそこに依存する会社の社長だ。 ある日突然、売り上げが半減した。驚いてアマゾンの商品ページを開くと、身に覚えのない低評価レビューがあふれている。「偽物です」「電源すら入りません」「日本製じゃない」 よく見ると商品ページのトップは、中国から出品された定価10分の1の模造品にすり替わっていた――。 悪夢のようなストーリーだが、神戸市の会社社長、藤井敬博さん(57)の身に起きた現実だ。「誰にでも起きうる話。アマゾンが『相乗り出品』を採用する以上、避けようがない」と藤井さんは振り返る。ニュースレター「アナザーノート」政治や経済の最前線を取材する記者のノートから、とっておきの話をお届けする「アナザーノート」。デジタル版有料会員限定で、隔週日曜にメールで先行配信しています。カートをとった店舗の一人勝ち 「相乗り出品」とは、一つの商品ページに異なる店舗が一緒に出品する仕組みのこと。だが、多くの消費者はページ右上の「カートに入れる」などのボタンや値段が表示された、いわゆる「カートボックス」の商品しか見ないだろう。 ここに表示されることを「カートをとる」と呼ぶ。カートをとれなかった店舗の商品は目立たない場所に追いやられて売り上げは激減し、カートをとった店舗の一人勝ちとなる。どの店舗にカートをとらせるかは、価格や在庫など様々な要素からアマゾンが機械的に判断するという。 安く好条件の商品を見つけやすいメリットがある半面、楽天市場のように店舗ごとに販売ページをもつ仕組みと比べて模造品が横行しやすい。「彼らは売れ筋商品を狙って相乗りし、信じられないような安値でカートをとる」と藤井さん。フランスの調査会社によると、模造品に相乗りされると24時間でカートの6~9割が奪われるという。 藤井さんの場合はこうだ。2021年8月、自社開発のパルスオキシメーター(血中酸素飽和度測定器)の商品ページが中国からの出品者にカートをとられた。月間1億円の売り上げは60万円に。アマゾンに繰り返し調査を依頼したが、一向に削除されない。逆に、模造品より高い自社の正規品がアマゾンの不正価格検知システムに「異常」と判断されて削除され、さらには正規品を含めた商品ページ全体が削除された。どんなに説明しても戻されず、600日放置された。■「プラットフォームのビジネ…この記事は有料記事です。残り1940文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

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