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日本の約20倍の国土があり、地方メディアが地域の住民の知る権利を支えてきたオーストラリアで、地方紙の廃刊が相次いでいる。最近約20年で300紙近くが姿を消した。理由の一つとして指摘されるのが、IT大手によるニュースの「ただ乗り」だ。地元ニュースを扱う地方紙が存在しない「ニュース砂漠」が広がり、政府がメディアの支援に乗り出した。 オーストラリア第2の都市メルボルンから東に列車で約4時間。酪農で知られるギップスランド地方のセールにある1861年創刊の新聞社「ギップスランド・タイムス」で、デイビッド・ブレイスウェイトさん(43)は働いている。オーストラリアの地域紙「ギップスランド・タイムス」で記者兼編集者として働くデイビッド・ブレイスウェイトさん。「いい紙面ができた時の喜びは何にも代えがたい」と話す=2026年6月4日、ビクトリア州セール、河野光汰撮影 約20年前に20人いた社員は6人に減り、記者はブレイスウェイトさん含め、3人だけに。日本の四国くらいの面積を3人の記者で分担している。 週2回の発行は1回になり、一方で、社員ひとりの仕事は膨大になった。以前は取材と執筆までがブレイスウェイトさんの仕事だったが、今では書いた原稿をレイアウトし、ウェブサイトに流す配信業務も担う。 「トランプ米大統領の発言よりも、読者は地元で起きていることを知りたがっている。我々が書かないと、誰にも伝わらない」街に1店舗しかないマクドナルドでは、地元紙「ギップスランド・タイムス」が店の従業員を取り上げた紙面が飾られていた=2026年6月4日、オーストラリア・ビクトリア州セール、河野光汰撮影 ブレイスウェイトさんら社員の使命感で、50ページの紙面は地域の話題で埋め尽くされているが、将来への不安も尽きない。 「大手の経営はまだ良い方だ。地方紙の経営は不安定で、地方紙の記者を目指す人材は、じきにいなくなるだろう」ニュース記事の「ただ乗り」批判、長年続くメディアとIT大手の攻防【インタビュー①】報道機関なくして検索は成立しない 記事へのただ乗り「市場の失敗」【インタビュー②】訃報は電柱、政策知らぬ人々 地方紙が消える豪州悩ますニュース砂漠【いちからわかる】IT大手が脅かすメディアの経営 AIの普及でさらに深刻な事態に中傷、重要情報伝わらず 地方メディア消えた街で何が IT大手は、メディアが流し…