ストーリー編集委員・副島英樹印刷するメールでシェアするFacebookでシェアするXでシェアするはてなブックマークでシェアする【動画】「原爆の子の像」の前で「ねがい」の新たな歌詞を歌う、広島市立己斐上中学校の生徒たち=副島英樹撮影
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四半世紀前、広島の中学校で「ねがい」という平和の歌が生まれた。4番までだった原曲にその後、5番以降の歌詞が国内外から次々と届き、今では2200番に迫ろうとしている。この夏も広島で、新しい歌詞が中学生たちの手で誕生した。 8月3日朝。広島平和記念公園。原爆の子の像の前で、広島市立己斐上中学校の生徒代表の8人が歌を披露した。「ねがい」の2191番から2193番までの新しい歌詞。校内で歌詞の案を募集し、7月中旬に完成させた。 ♪もしもこの教室で起こっているものが/いじめではなく助け合いであったなら/孤独や偏見に苦しまないで/みんなで楽しく過ごせる学校に(2191番) ♪もしもこの世界で起こっているものが/戦争ではなく話し合いで仲良くなれるなら/つくり笑顔じゃない本当の笑顔で/毎日を明るく過ごせるだろう(2192番) ♪もしも今日のニュースに流れるものが/悲劇ではなく「笑顔」や「幸せ」であったなら/愛や希望でうめつくされて/この世の平和は実現するだろう(2193番) ヒロシマの思いをつなぐ自分たちの平和宣言を呼びかける中で歌った。世界や地域のリーダーに「紛争を解決する手段として武力を使わないで」とも訴えた。歌い終えて、生徒会長の肥田優希さん(3年)は「いろんな人が今の世界の現状や平和について考えるきっかけになってくれたら」。 歌詞をカウントしているのは、生徒に同行した己斐上中の横山基晴教諭(67)。広島市立大州中に勤めていた2001年のことだ。3年生と市民合唱団「広島合唱団」との交流からオリジナル曲が生まれ、02年3月の卒業式前の学年集会で「ねがい」が初披露された。 ♪もしもこの頭上に落とされたものが/ミサイルではなく本やノートであったなら/無知や偏見から解き放たれて/君は戦うことを止めるだろう」(1番) 01年の米ニューヨークの9・11同時多発テロと、それに対応する米国のアフガニスタン空爆。時代が歌詞に反映された。 03年、教師や生徒の国際ネットワーク「iEARN(アイアーン)」の国際会議が兵庫県で開かれた際、当時神戸市立湊中の教諭だった長田寿和子さん=三重県在住=が歌を会議のテーマソングにと提案。歌詞は31カ国37言語に翻訳され、世界に広がった。 さらにネットワークのホームページで「歌詞の5番を作ろう」と日本語と英語で呼びかけると、歌詞が次々と寄せられ、最初に届いたものを「5番」、次を「6番」と数えて積み上げていった。 そのホームページの更新は13年の段階で、2106番で止まっていた。「自然消滅させるのは惜しい」。60歳定年の節目をいったん迎えた横山教諭が引き継ぐことに。2107番以降は、平和学習に取り組む広島市内の学校から寄せられた歌詞と、再任用以降に生徒たちが作った歌詞。新しいホームページでそれらも公表していくつもりだ。「ねがい」が生まれた広島市立大州中学校では 発祥の地の大州中でも「ねがい」の伝統は生きている。 「『争い』の後に『を』を入…この記事は有料記事です。残り992文字有料会員になると続きをお読みいただけます。※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません






